次は上野です
次は電車に乗って上野へやってきた。知らない街に出て来てまず行くのはやはり名前くらい聞いたことのある駅ではないか。東京の場合これに「山手線内で」という条件が加わる(間違えてもぐるぐる回ってるだけだから安心なのだ)。僕は就職活動ではじめて東京に出てきたとき、この条件に沿って「上野駅」で降りてみた記憶がある。
時は経ち、僕はいま再び上野駅にやってきた。メガネを外したまま電車に乗ったのでえらく長い距離を移動したような気がするが、実際は東京駅からたったの4駅だ。おそらくひどく目つきが悪かったに違いない。恐い人に出くわさなくてよかった。
さっそくメガネ屋さんを探して上野を歩いてみよう。
人混みはだめだ
上野といえばアメ横商店街なわけだが、メガネがないと人混みが恐い。僕の周りを人がびゅんびゅん進んでいくような気がするし、威勢のいい客引きの声が突然耳元から聞こえてくるので飛び上がってしまう。
アメ横は無理だと判断し、早々に大通りへと移動した。
するとすぐ近くにどこかで見たことのある人がいるではないか。
ぼんやりとする視界の中でなにやら青い服を着た人がチラシを配っているのが確認できた。大きな声で話している。
「・・お安くなっております!よろしくお願いします。・・コンタクトです!」
・・え?コンタクト!
普段ならばそっけなく断るチラシも今日ばかりはラブレターに見えた。ありがとうお姉さん、こんないいものくれて。これで僕はなんとかなりそうですよ。
チラシをもらった場所のすぐ目の前が眼科兼メガネ屋さんだった。
じぶんちみたいにほっとしますね。
上野はまずまずといったところか
上野でメガネ屋を見つけるまでに要した時間、約20分。しかし雰囲気的に東京駅で彷徨うよりも不安が少ないように感じた。雑然としてアットホームな雰囲気がどこかに救いを予感させるのだろうか。そんな上野駅も僕なりに評価してみた。
上野駅でメガネを無くした場合、無事でいられる可能性
60%
なんらかの理由でチラシ配りの人がいなかった場合のことも考え、控えめの評価とさせてもらった。ただ、前述したように街は優しい包容力に満ちているため、歩き回っているうちに誰かが助けてくれそうな気もする。
メガネがなくてもこうして目を横にひっぱると今までよりも少しだけ見えるようになります。近眼コネタでした。