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ひらめきの月曜日
 
気になるんだ洋服の日本語タグが

まずは今回のベストヒットから

実を言うと、2週間くらいをかけあいている時間があれば古着屋やリサイクルショップを回る日々を過ごしている間に古着を見すぎて日本語タグの何が面白くて何が面白くないのかが自分で分からなくなってきてしまった。

自分の興味を皆さんにプレゼンしようというのに、どうしよう。正直うろたえているときに現れたのがこのタグ。「これぞ捜し求めていたものだ!」と唸らずにはいられなかったタグだ。


婦人服・コート「大地」

大地。

なんだろう。婦人用コートである。洋服に大地、とは。

よく見ると「中国上海」と書いてあるし、DaDiというのは中国語での「大地」の読みのようで、日本語というより中国語といったほうがいいタグかもしれない。

日本語タグを探すというテーマのしょっぱなから迷走しているが、十分に日本語としてもインパクトはある。だって、「大地」って。

そういえば前ページの「殿」も中国語らしかった。みどころのあるタグに新たな市場が開拓された形か。

ちなみに、この「大地」のタグが英語表記だったらどうだろう。「the earth」とかそんな感じだろうか。それだと全く心に残らないのだから欧文の雰囲気力というのもすごい。


服の全貌はこちら。「大地」と言われると確かにそんな気がしてくる

ちなみに今回、見つけた日本語タグの服を着るあてもなく買うのもどうかと思い、めぼしいもも買わずにお願いして写真に撮らせてもらった。全体的に慌てて撮影したため、よく撮れていないものもあるが、ご了承くださいませよ。

本当だったらきちんと買ってコレクションしたいくらいなのだが、やはり服は着てなんぼなのでここは眺めるにとどめたい。

業務連絡が日本語で

これぞ、というタグに続いてご紹介するのは、いきなりだがちょっと変化球、服に関してのインフォメーションが日本語で縫い取られているタイプ。

こんな感じです。(写真はマウスオンで洋服全体が見えるようにしました!)


婦人服・ブラウス「ドライクリーニングしてください」 婦人服・カーディガン「東京・京都・大阪」
こちらは古賀の実家から発掘。派手なシャツだが、誰のものかは不明(母?)。ブランド名「Lapica」がカタカナでまた書かれているのもいいが、やはり「ドライクリーニングしてください」たまらん こちらもブランド名の読み方表記に続き、地名に会社名までが日本語で。こまかい機械刺繍がかっこいい

紳士作業服「サンフォライズ・綿100%」

たたみかけるかわいいロゴのブランド名と、綿100%表示!サンフォライズとは天然の繊維に蒸気をあてて最初から縮めてしまう方法のことらしい


やっぱりグッと来るポイントは「日本語がちまちま縫い付けてある」というところに大きいのかもしれない。小さいフォントでタグに注意書きが縫い取られているのはつぼをつかれた。

韓国語もいいなあ

今回の古着狩りで初めて見つけたのが、ハングルのものだった。アルファベットには何も感じなくても、韓国語にはひきつけられるものがある。日本語のひらがなのように細かく縫い付けられているのがやっぱりかわいい。

(※以下の2枚は洋服そのものの写真の撮影を忘れてしまっていました。なのでマウスオンはありません)


婦人服・ジャケット 婦人服・ジャケット
CONFLANCEってどういう意味だろうと思って辞書を引いたが分からなかった。日本でいうOZOCみたいな感じ? こちらは「CAF」のロゴもかっこいい。婦人服っぽくない未来っぽい雰囲気

2009.2.10追記
左上の写真について読者の方からメールをいただきました。これ、フランス語の「confiance(信頼・信用)」では、とのこと。ハングルでもコンピアンスと書かれているそうです。情報ありがとうございます!

そうだ、スナックなんだ

さて、韓国語からまた日本語へ戻ろう。

撮りためたタグの写真を眺めていてハッと気づいたことがある。日本語のタグは、スナックの名前みたいなのだ。

私はスナックの名前も好きで、以前それを記事にしたこともあった(記事:スナックの看板に思いをはせる)。そうか、この感じの正体はスナックだったのか。


婦人服・ニットジャケット「パステル」 婦人服・カーディガン(?)「マイ恵美」
どこかで見たことがあるようなタイプのロゴだと思ったらスナックだ。服もママが着てそうである(実際、この服は古いというよりも婦人服の現存するブランドかもしれない) いや、もう、紛れもなくスナック。服はちいママが着てそうな感じか。着こなしが難しそうすぎて私には試着することすらできなかった

婦人服・カーディガン「クイーン ベジー」 婦人服・ブラウス「花のブラウス」
このタグは自分のなかでグッとくるようなそうでもないような微妙さだったのだが、スナックの名前だと思えばすべて納得がいく(なんだろう、納得って) これだってスナックの名前にありそうなんだから、すごいのは日本語タグよりもスナックの名前の方なのではと思えてくる。しかし服全体を見るとこれがまたすごくて、もう何が何やらだ

妙に力の弱そうなタグも

さて、ここまでのタグはその日本語のインパクトでぐいぐいと押してくる強烈なものがほとんどだったのだが、日本語でありながら押しの弱いタグというのもあった。

単純にフォントの線が細いからだとは思うのだが、そんなジャンルに分けられた2着がどちらもポロシャツだったのが興味深い。


紳士服・ポロシャツ「世界綿紀行」 婦人服・ポロシャツ「音楽海岸」
古い服、というよりトートバッグでおなじみの「一澤帆布」的な意味合いでの日本語なのかもしれない。どちらにせよ、かなり頼りなげなイメージ 音楽海岸。なんだろうと思わせつつ、着になるその線の細さ。線が細くても英語で「Music seashore 」って縫い付けておけばそれほど気にならなかっただろうに………

「殿」タグへのアンサー服があった

以上が今回見つけた日本語のタグだった。やはりこの量だとまだちょっと満たされない感じはある。

が、最後にそのもどかしさを一気に解消するタグが見つかったのだ。

前ページでご紹介した、今回の企画のきっかけになったタグ、「殿」。なんと今回、偶然にもこのタグへのアンサーともいえるタグが見つかったのだった。


婦人服・カーディガン「王」
服やフォントに古さを感じないのが残念だけれど、何しろ「王」である。着てみたら王様のような仰々しさはなく普通に着れる服であった。思わずダブルピースだ

古い日本語のタグが見たいわ

本当はもっとじっくり店やバザーをまわって探したいところなのだが、今回は時間がなくここまでにとどまった。バザーシーズンは秋。まだかなり先だが、そのころにまた目をギラギラさせて日本語タグを狙いたいと思う。

実は古着店やバザー以外にも日本語タグが眠っている場所があるのだ。それは、「実家」である。今回もブラウス1着を実家から発掘した。きっとみなさんのお宅にもいい日本語タグが眠っているんじゃないか。

というわけで、ちょっと見てきての「見たいわ」で「古着の日本語タグ」を募集します。

>>募集のページはこちら<<

見かけたらぜひとも写真、送ってください!

母の「ラピカ」ブラウスに買ってきた「クイーンベジー」カーディガンを着てみた。割と普通に着れているじゃんか(と、自分では思っておりんす)。

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