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ひらめきの月曜日
 
果物の皮は食べる〜発熱につき緊急企画です〜
これには深いわけがあるんです

今日は、いろいろな果物の皮を食べてみようと思う。

我ながら、え?! だ。進化する上で得た豊かさによって、食べづらい果物の皮について人類には「捨てる」という選択肢が与えられたはず。それを21世紀の今になってなぜまた食べようというのか。

実は、風邪をひいて予定していた取材にいけなくなってしまったのだ。

(text by 古賀及子

文章で病気について詳細にご紹介する間、果物の写真でお楽しみください。今回食べてみる果物の皮はこちら

祖母宅からもらってきたりんごがやけに豪華

あと、家にあったのでキウイ

不思議な風邪をひきました

唐突に「果物の皮を食べるんだい!」とぶち上げた今回。というのも、情けないことに風邪をひいてしまって予定していた取材に行けなかったのだ。

久しぶりの風邪だった。手洗いうがいを徹底していたので油断していたが、気付いたら熱が40度近くある。

これがなんというか不思議な風邪で、発熱以外の症状がほとんどなかった。病院での検査の結果インフルエンザではないとのことだし、喉の痛みもなく(医師によると喉の炎症もほとんどないそうだ)、咳も出ず、胃腸の調子は良く食欲もある。少々鼻水は出るが、もともと鼻炎なのでこれぐらい普通だ。

ただただ高い熱が2日間ほど続いた。最高潮のときは熱のせいでほとんど体が動かず、食欲はあるので何か食べたいが作ったり買いに行ったりできないので困ったという状況だった。

で、なんで果物の皮なのか

そんなこんなで予定していた記事の取材へ行くことができなくなってしまった。どうしよう。

うろたえながら、峠を越したからだでりんごの皮をむいて食べていた。そのとき、何を思ったか(多分相当おなかがすいていたんだろう)、むいて捨てられるべくまな板に置いてあったりんごの皮を食べたのだ。

「懐かしい!」と思った。

そういえば私は子どもの頃、よくりんごの皮を食べていた気がする。皮付きのりんごではなく、むいた後のりんごの皮を、だ。

そんなことから、次の記事は取材にいけなかった代わりに、とにかく色々な果物の皮を食べみよう! と思い立ったのだった。りんごの皮にもすがる、という気持ちで。

「バナナは皮を食う」というタイトルの本を発見

さらに、果物の皮について調べを開始したところ、「バナナは皮を食う」という衝撃のタイトルの本が出ていることを知った。

雑誌「暮らしの手帳」に掲載された、昭和の食べ物にまつわるエッセイをまとめた本のようだ。コラムの中の1本にこの「バナナは皮を食う」というタイトルのものがあるらしい。バナナというと果物の皮の中でもかなり食べられないイメージだが、どういうことなんだろう。

早速本を注文し、届くまでのあいだにバナナ以外の果物の皮を食べながら待つことにした。


それにしても、なんでりんごの皮を食べていたのか

それにしても、なんでまた子どもの頃の私はりんごの皮を食べていたのだろう。

りんごの皮を食べたときの衝撃が走るような懐かしさのこみ上げ方はちょっとすごかった。風邪で頭の感じが普段と違っていたせいもあるかもしれないが、あんなにあざやかに過去がフラッシュバックしたのは初めてかもしれない。

そんなに鮮やかによみがえった記憶が「リンゴの皮を食べていた」記憶だというのもショッキングではある。


果物の皮 エントリーナンバー1:りんご
本当に、なんでこの味が懐かしいのだろう!
ちなみに、固い食感と甘酸っぱさのあとにえぐみのある味です。

皮ごと実を食べるのは健康にもいいらしいし美味しくて私は大好きだが(むく手間も省けるし)、皮だけ食べるのは正直懐かしい以外にあまりいい印象はないのだった。そりゃそうか。

若干子どもの頃の自分にちょっぴり引きつつ、母に電話で聞いてみたところ、実家ではりんごの皮を煮出してアップルティーを作っていたそうで、その皮を食べていたのかもしれないんじゃないか、と言われた。

実家がそんなシャレたことをする家だったのかということにまたショックだ。母としてはせっかくしゃれたことをしていたのに娘の記憶では皮を食べていたことになっていたのだから、そっちの方がショックか。


しかし残念ながら、皮だけ食べたほどの懐かしさはなかった

そうだ、ハムスターだ

アップルティーを飲んでもどうもピンとはこず、なんでだろう、なんでだろうと考え込んでしまった。のんのん考えていてフッと思い出したのが、小学校2年だか3年だか4年だかのころにクラスで飼っていたハムスターのことだ。

かなり薄ぼんやりした記憶で今の今まで完全に忘れていたが、夏休みに交代で子どもが世話をしに学校へ行った。そのとき、エサとしてひまわりの種と、りんごの皮を持っていっていた気がするのだ。


こちらの記事より。このかわいさ、本当すごいな

飼育委員だったのかとか、周辺のことは忘れてしまったが、確かスーパーの荷詰め台なんかに置いてある薄いビニール袋にりんごの皮を詰めて持っていった。

そのリンゴの皮を、袋につめながら私はつまみ食いしていたのだ。えー。呼び覚まされたのは、思わず目を背けたくなる記憶であった。スッキリした! けどなんだかなあ、もう! と子どもの自分にちょっと怒った。

せっかくなので、りんご以外にも好奇心で皮を食べてみたいと思う。何か私の記憶から呼び覚ますものがあるのではないか。


柑橘類はどうだろう。煮ればママレードにもなる美味しい皮、だ。

  食べられる皮といえばかんきつ類だ! >
 


 
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