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フェティッシュの火曜日
 
エレベーターの床下にあるもの


ゆりかもめ汐留駅

 さて床下の紹介に戻ろう。ゆりかもめ汐留駅のエレベーター。ESTEM製。

 ちょうど前ページでフェイントとして紹介した、地上はガラス張りのエレベーターだったのに地下はそうではなかったパターン。ちょっと写真も暗いが、今回の調査中でここだけにしかない特徴が見られたので、掲載したい。


(1)脚立。これまでの他のエレベーターと違い、壁に立てかけられている。上には雑巾のようなものがかけられ、白い色のためにエレベーターの外からも目立つ。

(2)暗いため確認できなかったが、なにか青い箱のような物が置かれている。その脇には黄色が見えるが、これは黄色い箱が置かれているか、あるいは青い箱に黄色い札がかけられているようにも見える。


暗い中に、白い雑巾がよく目立っている

雑巾

今回の調査中で唯一、雑巾の置かれた床下だ。最下階がガラス張りでなく、通行人から見られにくいために油断したのだろうか。しかし白い雑巾は窓のこちら側の光をよく反射して、ずいぶん目立ってしまっている。

 ホコリの積もり具合を見るに、ここに雑巾を広げておくのは得策ではない。あえて広げているのは、濡れていたのを乾燥させるためか、あるいは下の脚立にホコリをためたくなかった(?)からだろうか。

羽田空港第2ターミナル1

羽田空港第2ターミナルのエレベーター。メーカー不明。
今回の調査中唯一の円形エレベーター。扉の位置も、階によって異なる。


今回調べた中で一番ホコリのない床下

何もない

なにもない。明るい位置にあり、ガラス張りで内部も見えやすいエレベーターのため、景観に配慮してのことではないか。
また空港という場所柄を考えるに、防犯上の理由でそうしている可能性も考えられる。残された道具だけでなく、ホコリも他のエレベーターよりもきれいに掃除されていると感じた。

羽田空港第2ターミナル2

羽田空港第2ターミナルの、また別のエレベーター。メーカー不明。


(1)黄色い金属製のポール、4本。用途は不明だが、何かの交換用部品だろうか。汚れが目立つので、交換済みの旧部品の可能性もある。

(2)金属製の何か。台車の手押しの部分にも見えるが、先に台車はついていない。これも何かの部品なのだろうか。


機械の構造が複雑

部品からはよくわからない

 部品(のようなもの)がいくつか置かれているが、工具類が置かれていない珍しいパターン。

 工具や道具類についてはあるていど用途を推測する楽しみがあるのだが、機械の部品となるとエレベーター自体の構造がわからないため、まったく推測できない。やはりおもしろいのは、人が直接握った道具のある場所。人の匂いのする場所だ。

羽田空港第2ターミナル2

羽田空港第1ターミナルのエレベーター。三菱製。



本当に何もない。がらんどう

何もないのは味気ない

 先ほどの丸いエレベーターにつづき、こちらもなにもない。やはり空港という場所柄がなにか関係しているのかもしれない。

 しかしこれまでいろいろなエレベーターを見てきた後に見ると、きれいに片付けられた床下というのも、それはそれで面白みのないものである。

人の活動の匂いを感じるおもしろさ

 以上が、今回調べたエレベーターのすべてだ。あのくらい空間の中で、内容はよくわからないけど「メンテナンス」という作業が行われていて、いろんな道具が残されている。残していく道具も人によってまちまちで、その結果、同じように見えるエレベーターにも舞台裏にはこんなふうに個性が生まれているのだ。

 そんな、人の活動の残り香を感じること。それがなんとなくおもしろいなー、という、それ以上でもそれ以下でもない記事なのだけれど、楽しんでいただけていたら嬉しいです。

上の方から見下ろすのもそれはそれでかっこいいですよね

 

 

 
 
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