●ある意味で「はじめての告白」
今回のナスへの告白は、リアリティを出すためにシチュエーションを設定して行いたい。「密かに思いを寄せていた同僚のナスが、残業をしているところに声をかける」というものだ。
果たしてそれがリアリティにつながるのかどうかよくわからないが、オフィスラブが一歩進展する状況としてはよくあるパターンだと思う。
さあ、それでは勇気を出して告白してみよう。
ああ、ものすごく恥ずかしい。
平静を装っているように見えるかもしれないが、内心はとてもドキドキしている。言いたいことがもっとあったのに、思っていたことの半分も言えないというところも本物の告白とよく似ている。
ナスも突然の告白に驚いているのか、何も言わないままだ。
気持ちの揺れは、途中でミカンを繰り出しているあたりにも読み取ることができるだろう。純粋に言葉で気持ちを伝えればよいのに、つい物に頼ってしまったのだ。
ときめきを忘れた大人たちに贈る今回の試み。いろんな意味ですれすれ感のある行動だったと思うが、険しい崖に咲く花こそ美しいものでもある。
もう久しく味わっていなかったあの感覚。すぐそこにあるものたちに告白することでも、きっとよみがえってくると思う。
今回の試みを通してわかったことは、人間意外に告白することでも、告白のドキドキ感を味わうことはできるということ、そして、あんまり親に心配かけちゃいけないな、ということだと思う。