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はっけんの水曜日
 
手軽に始めるロッククライミング・近所編

 

基本は三点支持

まずクライミングには三点支持という考え方が必須だ。岩に取り付くためのツールは両手両足の四点なのだが、この中の三点でさえしっかり支えていれば体が壁から離れることはない。そこで残る一点で次のホールド(握る場所)へと移動することができるわけだ。これを繰り返して登っていく。

これはなにも岩に取り付かなくても練習できる。

 

三点支持で岩を登る。

 

近所の公園にある鉄棒だが、両手と片足、つまり三点で支持できるのだ。おおー、クライミング。

 

ほら。

 

待った!ちょっと待ってくれ!

いきなりかみ砕きすぎて申し訳ないとは思っている。クライミングを始めるならジムに行くのが正解だということも知っている。ジムならば手ぶらで行っても気軽に始められるからだ。

しかし、クライミングを始めると目につくものなんでも三点支持したくなるのもまた事実なのだ。世の中の物すべてを登りたおしたくなる。興味を持った方は何度かジムに通った後にこの記事を見返してみてほしい。きっとわかってもらえるはずだ。

 


クラックを使って三点支持。

道端で三点支持(手はバーミングという持ち方です)。
登攀途中でレスト。 収まりのよい場所を見つけたのでレスト(登る途中で体を休めること)。

壁は登るためにある

我々は(すでにあなたも僕側です)こういうスラブ(垂直よりも緩い斜面)を見るともちろん登らないと気がすまないわけだが、くれぐれも管理者に登っていいかどうか聞いてから挑戦して欲しい(たぶんだめって言われるので)。

おおー、なかなかいい斜面じゃないか。  
おもむろにクライミングシューズに履き替え。 ヒールフック(かかとでの保持)を決める。
どうだろう、いてもたってもいられなくなっただろう。そういう人はこの記事を最後まで読んだ後に外へ出てもらいたい。そこにはいつもと違った景色が広がっているはずだ。町にある出っ張りや壁がすべて気になるぞ。
登ってくれってか。  
いいだろう、ちょうど暇だったところだ。 このくらいの出っ張りがあれば十分だ。

こうなってくると電車で吊革を握る手の形も変わってくる。写真の持ち方は指を伸ばして第一関節でひっかける「タンデュ」。僕はこれで1時間の電車通勤を岩にとりついたイメージで過ごしている。

周りを見渡してほしい。同じようにすべてを岩に捧げているクライマーは意外と多いのだ。遅れをとるな。

タンデュ!  
ごく普通の通勤風景に見えますが。 よく見るとそこここにクライマーが!

階段だって三点で上り下りするべきだ。鍛えどころなんだからエレベーターなんて使うのはもったいない。

途中どこかでドアが開いたらそのまま静かに保持してやり過ごせ。平常心を保つのもさらなる高みへとあなたを押し上げる力になるだろう。

 

隣の住民が出てきたらこのまま保持だ。


岩は心の中にある

乙幡さんが妄想工作ならば僕は妄想登山だ、よりやばい。でもこれであのしきいの高かったクライミングを日常的に楽しむことができるのならばもうガマンすることはない、やるべきだ。力がついたな、と思ったらいよいよ山へ行ったらいいのだ。そのときはぜひ誘って下さい、下でロープ持ちますので。

この世はでっかい宝島。

※クライミングは危険なスポーツです。本格的に始める場合にはショップやジムなどで適切な指導を受けましょう。

 

 
 
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