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ひらめきの月曜日
 
明治神宮を一番乗りで詣でたい

いい頃合いになりました

 そして日没。

 前ページから展開が一気に飛躍したが、この間に特筆すべきことは何もない。原宿にはおしゃれな若者がたくさんいるので、それに耐えられなくてネットカフェに引きこもっていただけなのである。

 それで19:00くらいにまた本殿前に戻ってきたのだが、賽銭箱の最前列はまだ空いていた。来年以降一番乗りしたい方、大みそかはけっこうのんびり家を出ても大丈夫ですよ。


19:00頃になるとけっこう人が集まってきた

でも本殿の前はまだ空いてる。よかった
もはやすることがないので、ベンチで待つ

 新年まではあと5時間もあるが、参拝客も増え始めている。ここまできて最前列は譲れない。不安なので本殿を見渡すベンチに座って、あとはもうひたすら待つことにした。

にわかに元旦モード

 20:00を少しまわり、ノートPCでプープー時代劇を楽しんでいたその時。何台ものいかつい警察車両が境内に乗り込んできた。そこから見たこともない数の警察官が出てきて、三角コーンで参拝ルートを作り始めた。

 いよいよ何かがはじまった感がある。


かっこいい車の中から
もの凄い数の警察官が降りてきまして

テキパキと三角コーンを並べまして
あっという間に参拝ルートが完成

 21:00。報道関係っぽい人たちもぞろぞろやってきて、各社割り当てられた撮影ポイントで機材のセッティングをはじめる。いよいよか。いよいよなのか。一段と冷え込んできたが、それも忘れるくらい興奮してきたぞ。

あと3時間以上ありますが、もう最前列で待ちます

気づけば賽銭箱の前に陣取る人たちもちらほらと

 22:00。突然左となりでテレビのインタビューがはじまったのでぼくもあわててコメントを考えた。だが、マイクはぼくの前を通り過ぎ、右となりの参拝客に向けられた。

 この選ばれない感じには身に覚えがあるが、一番乗りになれたらそんな呪われた運命も変わるはずだ。

 ちなみに撮影クルーは指定された境界線を踏み越えて取材していたので、この後ディレクターらしき人がものすごく怒られていた。


人生初のインタビューは惜しくも叶わず

ふと後ろを振り返るとこんなことに

 

外国人のテンションと感動の君が代

 かじかむ指に息を吹きかけ、吹きすさぶ寒風に身をよじりながら待ち続けた。新年はもう間近だ。2列後ろの外国人のテンションが異様で「Whoooo!」「Yhaaaaa!」などと叫び散らす。わけもわからずこっちまでトランス状態である。「Yhaaaaaa!!」(ぼくは叫んでませんが)


宮司さんや巫女さんが本堂に終結
そして、ぼくの目の前には化け物みたいな影絵が

 5分前になると、全員で君が代を2回斉唱。長かった一日の思い出や異様なテンションがあいまって、やたらと感動が込み上げてくる。この時、本気で泣きそうになったが、感動している場合ではない。誰よりも早く賽銭を投げ込むのが一番の目的なんだから。

涙を拭いて臨戦体制(手には5円玉)

いよいよカウントダウンがはじまった。
10、9、8、7・・・

5円玉を握る指先に汗がにじむ


…5、4、3、2、1、うりゃっ

 「ゼロ」の合図とともにぼくは誰よりも早く腕を振るい、そして5円玉は一番に賽銭箱に吸い込まれていった。やった一番乗り! 一番乗りったら一番乗りだ。誰も証人はいないけど、証拠の動画ならあります。どうぞ。

晴れて一番乗り

 証拠になればと思い動画を撮ってみたのだが、非常にわかりづらい。だが、2009年、ぼくは誰よりも早く明治神宮の賽銭箱に5円玉を投げいれた。これはまぎれもない事実だ。だからなんだ、といわれたら困ってしまうのだけれど。

 一番乗りになることに集中しすぎて、うっかり願い事を忘れてしまった。しかし何せ一番乗りなので、通常よりは多めにご利益をいただけるのではないかと密かに期待している。

帰ろうとした道すがら、くいしんぼう市がスタートしていた

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