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ひらめきの月曜日
 
明治神宮を一番乗りで詣でたい


年明け間際の明治神宮にて

 年はじめのニュース番組にて、今年も各地の年越しの模様が伝えられた。やはり定番は、元日の0:00に合わせ、初詣に訪れた参拝客の姿であろう。

 『ゆく年くる年』を見ながらそばをすすったり、お笑い番組を見ながらミカンをほおばる年越しも悪くはない。悪くはないが寒空の下、厳かな気持ちで年越しを迎えることこそ正しい日本人の姿という気もする。憧れつつも、これまでの自分はだらしない年越しに甘んじてきた。こんなことでいいのだろうか?

 まあいいか、という気もする。だが、ここはあえて30を前にしたうだつの上がらない自分に活を入れよう。あの明治神宮の初詣一番乗りを本気で目指すのだ。

榎並 紀行




一番乗り=一番早くお賽銭を投げる人

 東京都渋谷区の明治神宮。正月三が日の参拝客がおよそ300万人にものぼる日本一の初詣スポットである。元旦ともなれば最寄りのJR原宿駅から賽銭箱のある本殿まで1時間待ち、2時間待ちの行列ができることもあるとか。

 そんな場所に一番乗りで賽銭を投げいれ、願をかけるなんてかっこいいじゃないか。300万人に先んじる一年の始まり。幸先もよかろうて。


というわけで、早朝の原宿駅にやってきました

元日0:00の時点で本殿の一番前にいるためには、誰よりも早くそこに到着し、待っている必要がある。

 そのため始発列車に乗り開門1時間前の明治神宮にやってきた。正直これでも遅いんじゃないかと思ったくらいだ。


2008年12月31日の開門は6時40分
意気込んできたのに、誰もおらず

しかし、早朝の明治神宮に人気はない。自分の他にも一番乗りを狙う人たちが門の前に行列を作っているはずだ、と本気で思っていただけに意外だ。

 本殿の前まで歩いてみても、自分の他には、早朝の参拝客が数名いるだけだ。開門と同時に賽銭箱の最前列は埋まってしまうのではと心配していたが、こんなことなら楽勝である。

 後は年明けまでの約17時間をひたすらじっと待っていればいいだけだ。寒さが身にこたえるが我慢だ。幸いここにはベンチもあるし。


本殿前にも早朝の参拝客がちらほらいるだけ

文庫本など読んだりしながら新年を待つ(新年まで残り17時間)

まぁ〜〜暇だ

 

ごめんなさい、無理です

 いや、無理だ。17時間も待てるわけがない。ここは寒いし何しろ暇なのがつらい。最前列を争ってしのぎを削る熱い闘いを覚悟していただけに、気が緩んでしまったというのもある。

 神職さんに伺ってみたところ、本殿に人が集まり始めるのは例年通りなら10時くらいとのこと。あきらかに気張りすぎである。

 教えていただいた通りならば、余裕をみて3時間前くらいに戻ってくれば大丈夫だろう。あったかいココアでも飲んで出直すか。


忙しそうに働く神職さんたちにも申し訳ないですし

 

くいしんぼう市がやってない

 境内を散歩してみたところ、心惹かれる素敵なアーチを発見した。「くいしんぼう市」と書かれたアーチの向こうにはいくつもの屋台が連なっている。特別くいしん坊ではない人にとっても魅力的なスポットである。

 ここでおいしいものを食べながら時間をつぶそうか。


これ以上食い気をそそるネーミングが他にあろうか。くいしんぼうばんざ〜い

わーい、くいしんぼう、わーい
くいしんぼう・・・

しかし、残念なことに営業している屋台がない。お昼どきにもう一度訪れたときも同じような状況だったので、新年からの営業なのかもしれない。がっくし。おまけに今日はレストランも休みだし。

 それにしても人が少ない。一番乗りだなんてはしゃいでいたが、300万人どころか誰も来ないんではないか? と急に不安になった。売店で見つけた牛の手ぬぐいには「モウォー、ぎゅうぎゅうです!!」というコピーが添えられていたが、すごく面白いのに笑えないのはきっと心が冷え切っているせいだろう。


レストランも休みだし

まさかの干支だじゃれにぎゃふん、となった

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