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ちしきの金曜日
 
2008年のロボットはこんな感じ

オス、おらロボット!応援してくれよな!

 ロボット、それは乗って良し!戦って良し!秘密道具出させて良し!という未来のアイテム‥と思っていた。電話がこんだけ小さくなったんだからロボットももっと実用化されて家庭に一台、くらいになっていいはずなのにそんな日はまだ遠そうだよなあ。2008年というのに。

しかしその歩みはゆっくりながらも近づいてるようで。2008年のロボット最新モードが見れるイベントに行ってきました。ベストジーニスト賞のロボット版?みたいなものとお考えください。別にロボットを着こなしてるわけじゃないですが。

大坪ケムタ



大賞は「ガンダム、大地に立つ」が出来るヤツ

その年に活躍したロボットに与えられるロボット版日本アカデミー賞ともいえるのが「『今年のロボット』大賞2008」。経済産業省などの主催によるもので今年で3回目。2008年の活躍だけでなく将来の貢献が期待できるロボットに賞が与えられます。そんな未来の活躍まで見越した賞の意義は、まさにロボット界のM1グランプリ!賞の例えがコロコロ変わってるのは気にしないでください。

12月19日〜21日に開催された同賞の一般向け展示会前日に行われた、プレス向け発表会の日にうかがってきました。


経済産業大臣政務官も来たりするイベントです。

会場には今年受賞した8件のロボットが展示。当然っちゃ当然なんですが、乗ったりビーム出したりとかそっち系のロボットは無くて(どこにあるのかも不明)工業用・シンプルな実用機・玩具がメイン。

そもそもロボットの定義として「センサー、知能・制御系、駆動系の3つの技術要素を有する、知能化した機械システム」が同賞にはあるとのこと。足ついてガチャンガチャン、って歩くのだけがロボットじゃない。

「でもやっぱりガチャンガチャンがロボットですよ!」と経済産業省の人が力説したのか知りませんが(たぶんしてない)、2008年の「今年のロボット大賞」を受賞したのがタカラトミーの『Omnibot17μ i-SOBOT』。一言でいえばオモチャなんだけども、これがもうガチャンガチャンどころかブリブリ動きます!


片足バランスも楽勝です。ヨイショっと!

わずか17cm足らずの本体に17個ものモーターが収められている「アイソボット」、今までにない細やかな動きが出来るため200パターンもの行動パターンを取ることが出来るのだとか。

とりあえず倒れて立ち上がる動きのなめらかさで「お〜」と思ってみてください。


顔面からブッ倒れちゃっても
おっきします!


アイソボットは人間の10/1サイズだそうですが、逆に10倍のを作ってとりあえず都庁の横とか並べようぜ!もうガンダムこれでいいじゃん!と言いたくなる動き。

ちなみに帰ってパンフを見たらエアギターも出来るそうで。昔よく新聞で「チェスの世界王者、コンピュータに敗れる!」なんて記事が載ってましたが、いずれ宮城マリオさんにロボットが挑戦してくる事もあるんでしょうか。かつて宮城さんに敗れた片腕のエアギタリストが「ふははは、これがお前を破るために作ったロボットだ!」とか‥それは未来っぽい!漫画としては80年代ぽいけど。


「宮城、お前は動物のモノマネは出来るか?」とか聞いてきたらヤだね。

これで全部の動きコントロール。すげー。
カラフルバージョンでの展示でした。

 

ロボットが紙一枚めくることの凄さ

続いては一気に見た目のロボット度は下がりますが必要としてる人は多いはず!なロボット。「最優秀中小・ベンチャー企業賞」に輝いた西澤電機計器製作所さんの「自動ページめくり機・ブックタイム」です。


ちゃんと押さえてるので風でめくれることもありません。

見てのとおり、本をセットするとボタンを押すだけでペラリペラリコとめくってくれるという本を持つのもイヤな無精者のためのマシーン、ではなくて基本的にはめくる手や足に障害を持つ人向け。ボタンだけでなくストロー状のスイッチに息を吸ったり吐いたりでもページがめくれる優しい設計です。


使いやすさに応じて3種類のボタンが。
ペラ〜っとめくれる過程はぜひ動画で。


説明担当の方に話を聞いてみると、やはり「1ページ分の厚み」を検出する機能が難しかったそう。本によって紙の厚みは違うし、質もペラペラからザラザラまで。さらに本の版形もいろいろあるけれど文庫本サイズまで対応可能だとか。ちなみにお値段は50万円強。

先日読んだ本に米軍が主催したコンピュータを搭載した無人カーレースの記事が載っていた。それによると、車の行き先に障害物があるのを見つけるのは人間よりコンピュータの方が早い。しかし、それが堅いか柔らかいのか避けるべきか跳ねとばすべきか?といった「質」についての判断はコンピュータはまだまだだそう。

たしかに人間は何の気無しに本の紙質や厚さに合わせてページをめくってるわけだけど、2008年の時点でロボットはやっとその時点。もちろん便利なのは言うまでもないけど、二足歩行でお手伝いしてくれるロボットは遠そうだなあ。

しかしロボット=二足歩行というのは僕の了見というかロボット観が狭すぎるだけ。もっとスゴイ感じで歩くアイツがいたんです!


最初に出たオレの出番です。

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