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はっけんの水曜日
 
クリスマスケーキカタログをながめる会

■アンリ・シャルパンティエ

森岡「…バブルですねえ」
大塚「アーリー90’sっぽいですね」
「『ミニ丼の本』とか思い出しますね」
「ああ、コンビニに置いてあった、小さいレシピ本ですね。昔流行ったやつ」
「80-90年代の、外国に憧れた日本、みたいな雰囲気ですかね?」
「『IDジャパン』とかですかね。そんな話しても、当サイトの読者様は若いので分からんと思いますが。
この和物小道具の使い方とか『ニュー着物』とか思い出しますもん。ゲラッゲラッゲラッゲラッですよ。明菜ちゃんですよ」
「しかしですね、なかなかとれないですよ、この古い写真。広告用のライティングの研究本っていうのがあるんですけどね。それの見本みたいですよ」
「懐かしい雰囲気ですよねえ」

「で、ここ、新聞形式のフリーペーパーも出してるみたいなんです。もちろんこの時期はクリスマス特集で。貰って帰りの電車で読むにはいいような、コネタ記事が載ってて」

「顧客の囲い込みですね、これ」
「カタログより、全然可愛いんですよね」
「この写真にこの紙にこのデザイン、って分かってる感じ。写真もエルとかヴォーグみたいだし。超おしゃれですよね」
「こっちの新聞でクリスマスケーキ、全部紹介すれば良かったのに」

 

■グラマシーニューヨーク

大塚「銀色の表紙で、やたらお金かかってそうですねえ。でもなぜかダサい…」
森岡「90年代のアートフォトっぽいですね。プラスティックな感じに物撮りしてる」
「でも、ケーキのバックが紫色で、高級って感じより、お正月っぽいんですね。やぼったい」
「シチュエーションが古いんですかねえ。80年代の50年代パロディみたいな感じかなあ」
「ニューヨークのクリスマスツリーのモノクロ写真が、巻頭にあったりしますもんね。うーん」

 

■シーキューブ

森岡「うーん、これは和をかけてプラスティックだなあ、かっちり撮ってて」
大塚「私は巻頭の、英語で適当なコピーだけ入ってる、見開きが気になりました。このページ無意味だよなあ」
「無意味ですねえ。しかしなあ。ケーキの形のせいかなあ。何がアレなんですかね」
「お皿、変ですね。金色の波模様で…高いものなのかもしれないけど、可愛くはないですねえ。あと、イチゴの先端に金粉が着いてるのは、何なんでしょうか? お洒落?」
「他のカタログのケーキにも、金粉イチゴありましたよ」
「まじすか、気が付かなかった。むむむ。
あとここのお店、気になるのは『パネットーネ』とか『ティラミスー』とか、名前にこだわってるところ。他に気をつけるところは多そうな気がするのになあ」
「まあまあ」

 

■G.MULUT

森岡「…チョコがテリテリ、かちかちですね。実際カチカチかどうかは分からないけど、写真にはそう写ってますね」
大塚「確かに過剰っていうか。鏡みたいにチョコに顔がうつりそうな勢いですね」
「あと、上に乗ってるオーナメントが独特ですね。お正月っぽいような?」
「そうかな? でもサンタのバリエはありますね」

 

■ぶどうの木

大塚「この断面図いいですね!」

断面図もえー。

森岡「でも作り手は『断面図で萌えさせよう』って意図はないでしょうね、これ」
「でも見開きと表紙は…辛いかなあ、とくに巻頭、この絵本のようなイラストとポエム。『一番星を見つけたら、空に向かって手のひら伸ばし…』なんて、ねえ」
「これ、僕らが悪人だから、こういうの見るとイラつくんですよ。普通に善人の皆さんには受けがいいと思いますよ」
「そうかなあ」

 

■cuoca

大塚「これは、ケーキのカタログなんじゃなくて、お菓子作り道具のカタログなんですけどね」
森岡「オーナメントの一覧、萌えますね! プラモデルのカタログみたいです。全体のデザインはいまいちだけど。ちょっと手芸の本みたいじゃないですか?」
「うーん、こんなもんじゃないですか? レシピも付いてるし、こういうの、女子はだいたい好きですよ」

 

■BERNE

大塚「これ、ケーキじゃなくてパン屋さんのチラシなんですけど。とにかく楽しいです」
森岡「世界のクリスマス菓子を紹介してますね」

何だかよくわからないが、うまげ

「『世界の』って付いたら、だいたい楽しいんですけどね。全部売ってるのかな? 全部食べてみたいもんなあ。スウェーデンの風車型パンとか、デンマークのブタ型ビスケットとか、いいなあ。イラストでざっくり説明してあるやつって、いいよなあ」

 

■末富

大塚「和菓子屋さんのチラシなんですけど。コピーした紙の上に、色鉛筆で色が縫ってああるんです」

手塗り!

森岡「えっ。一枚一枚手描きなんかしますかねえ。大塚さん、オリジナルの貰ってきちゃったんじゃないですか?」
「そうかなあ。1枚1枚塗る訳ないですよねえ?」
「しかし絵、上手いですね。和菓子職人さんて、絵が描けるんですよね。描けないと造形も出来ないから」
「なるほど。
これ、紙印刷好きとしては、かなり萌え物件だなと思いましたよ。手描きいいなあ。毎月欲しいです」

■総評

大塚「いやあ、もっとウキウキ眺められるものかと思いましたけど、結局、真剣に見てしまいましたね」
森岡「ねえ」
「まあ、それをふまえて、今回気になったことをあげていきましょう」

・画像加工して、合成したっぽい写真が多かった
・マカロンが流行ってるので、とりあえずケーキに使ったはいいが、どう使ったらいいのか処理しきれてなくて、変なケーキになってるものが多かった
・オーナメントのバリエが少ないのか、各社、サンタのかぶりが多かった
・写真、デザイン、紙質をうまくあわせて、総合的に作っているところが少なかった。それを理解して作っているカタログが、やはり魅力的だった。

「まあ、そんなわけで一番良かったのは、すごく悔しいけど伊勢丹ですねえ」
「東京でいちばんイケてるデパートですからねえ。
ということは、日本で一番イケてるデパートですから、格好良くて当然なんですけど、なんか悔しいですね」
「悔しいですねえ」
「何の意外性もなく、大変残念な結果に…。あと、特別賞をあげたいところは、ないですか?」
「ampmですね」
「キラキラしてましたもんね。個人的に買うなら、どのケーキですか?」
「池袋西武に入ってる、ヴィタメールの、フレーズ・ド・ヴィタメール」
「ノーマルないちごケーキですね、小ぶりな」
「恋人とのクリスマスを妄想すると、だいたいこんなもんですよ」
「んー、じゃあわたくしは、伊勢丹の表紙になってる、ジャン=ポール・エヴァンのシンデレラ。ハイヒールの形のチョコですね。15750円。これをツマミにシャンパンが飲みたい。絶対に買わないですけども」
「あ、俺、西武のくまさんもいいなー」
「私は他だったらデメルのチョコトルテ…やっぱりシャンパンと一緒に食べたい…絶対買わないですけども。
……むなしくなってきましたね」
「こんだけカタログ見といて、24日、ケーキ食わなかったら、泣けますね」
「まあ、それも人生ですよ。
……では来年のケーキカタログ鑑賞会まで、さようーなーらー!」
「え、来年もやるんですか!?」


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