漫画のネタから弁当のネタまで

続いては「メモ帳」というより「ネタ帳」というのが正しいんでしょうが‥漫画原作者・評論家の鶴岡法斎さんとちょうど飲みの席で会ったのでメモ帳を見せてもらった。

「最初は原作考える用のノートとか持とうとしたんだけど、そういうの用意してもまぁ２ページくらいしか保たない！それでベストセラーの『情報は一冊のノートにまとめなさい』ってあるじゃない。アレに思想的に押してもらって一冊にまとめたら、実際ちょうどいいんだよね」

−−一冊にやることとか起きたこととかまとめて。‥この「温泉ターザン」て何すか？

「あ、これは昔の彼女の家に置いてきたＢＬ漫画のタイトル。買い直さなきゃと思って‥」

−−既にあるのか！

「あと松村のギャグが面白かったとか、たまには『ゲシュタルト崩壊』とかちゃんとした事も書いてみたり‥」

スケジュール帳は家のカレンダーやネットで済ませてるという鶴岡さん。まさに脳内の気づきから街での気づきまで、雑多なネタ帳として一冊のノートを使ってるよう。

落書きなんかの中に書かれた「電車の中の座席に菓子などブチまけている東方力丸似のホームレス風の若者」「何故かシュバイツァーの伝記を持っていた（ボロボロ）」といった鶴岡さんがどこかで見た光景。

まさしく今後の漫画のネタが書かれたネタ帳だけに、公開出来るページはそれほどなかったのだけど、こうした気づきなんかがキャラクター造形に生かされるであろうことはなんとなく分かる。

あとここにはないもうひとつのネタ帳的存在の話も。

「あとこんな話するんなら持ってくりゃ良かったんだけど‥ベッドの横にカレンダーの裏紙を画鋲で貼ってるんだよね」

−−そりゃなんでまた？

「寝てて思いついた時とかガバーッ！と起きてすぐ書けるように。だいたい夢うつつの時に面白いこと思いつくんだよね。布団めくってメモ探しに行くのもめんどいじゃない？」

発想に関しては常在戦場！やはりこの位でなければ生き馬の目を抜く漫画界は生き残っていけないのかもしれない‥。

さて最後は主婦部門からエントリー。兼業主婦のＢさんです。以前家におじゃました時に細々とメモを付けてるのを思い出して見せてもらいました。

「仕事先でアウトルックのTO DOメモを使うようになってから家でも書き始めたんです。毎日仕事から家に帰ってやることも限られちゃうので、『今週やること』『土日やること』って感じですけどね」

−−お弁当のレイアウトとかも細かいすねぇ。

「ああ！これは最近お弁当作り始めたんですけど、量のバランスとかわからなくて書いてみたんですよね。でも実際入れてみるとぜんぜん余っちゃったりとか。それで最近は書かなくなったんですけど」

「あとTO DO以外のメモというと、絵はがきを実家とかにちょこちょこ出すんですよ。それで何の絵で何の切手を使ったか、あと下書きも書いてるんで何の内容か残してますね」

−−あー、今メールだと内容残るけどハガキはそうもいかないもんね。

今回の４人の中では一番使えそうなメモというとＢさんのでしょうか。特にエコなメモ。使い捨て前提ならこれでいいよね。会社の捨てコピー紙なんかある所は特に。

とはいえ、予想通り書き方に関しては一貫した「これがメモの最上級テク！」というのは見あたりませんでしたが、それぞれに学ぶ部分はありましたね。書くポイントの掴み方とか、書くテクニックとかそのメモ自体がカレンダーだったりＰＣだったり。基本は自己流、でもアレンジしてベストを編み出すのが最上級のメモ書き道ということでしょう！って割と普通の結論になってしまった‥。

でもよく考えてみると、最初に紹介した自分のメモ書きだけ特に学ぶ部分ないわ‥。出直してまいります‥。