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はっけんの水曜日
 
目に見える所、その先まで行ってみる

山に登った

視界を遮る物の上を行けばずいぶん先まで見渡せるのではないか。

ということで近所の山に登ってみた。果たしてどこまで見えるのだろうか。

 

すげー見える。

 

ばーん、とさすがに遠くまで見える。見えすぎて行けるのかどうか不安にすらなる。

 

あっちの方はアメリカなんじゃないのか。

 

果たしてどこまで見えるのか。海の向こうに陸地みたいなのが薄ぼんやりと見える気もするが、くっきりと判別できるのはその手前にある小山くらいまでだろうか。

あの小山はどこだろう。ここから眺めると遠い異国のように見えるのだが。確かめるために行ってみよう。

すごい遠くに見えます。  

 

ここからはミニチュアのように見えるあの小山、実際に行ってみるとどうなっているのだろうか。さらにあの山の向こうの見えなかった所には何があるのか。抱えきれないくらいの冒険心を胸に、僕は愛車(自転車)に乗り込んだ。

 

少し走ると山が見えなくなるので不安だ。

 

山を下って住宅地に入ると一気に目標の小山が見えなくなってしまった。やはり町は視界が狭まる。

それでもコンパスを頼りに方向を定め、線路を越え、川を越え、目指す小山へと近づいていった。

愛車は変速が付いていないので常時立ちこぎです。  
橋を渡ると。 あそこから見た山がすぐ近くに!

あの小山は意外と近くにあった。直線距離にして約3キロといったところだろうか。もっともっと遠いように見えたのだが、意外と視界は狭いようだ。それでも方向を確かめて道を探しながら走ってきたので1時間くらいかかった。

小山は近くで見ると木だった。山は木でできている。当たり前だが、来てみないと思い出さない事実ではないか。

おおお、木だ、山は木でできているぞ。  

 

ここが「果て」

果ての小山に到着した。写真が妙に淡い感じに撮れているのは天気が良すぎてレンズに光が差し込んでしまったから。おかげで本当にこの世の果てみたいな色合いになっている。

 

わーい。

 

果ての小山にはなんと階段がついていた。登れるようだ。

自転車こいだあとに階段を登るなんてなんかの競技みたいだが秋だから進んでこなそう。そういえば最近よく山に登っている気がする。

 

これも来てみないとわからない情報です。

 

果ての小山の階段は気を失うほどに急だった。途中でユニクロとドンキの袋が共に木に吊されているのを見つけたのだが、キツくなって途中で荷物を置いていったんじゃないかとさえ思った。

傾斜がはんぱない。  
丁寧に結ばれていました。 僕もカバンを置いていきたい気分です。

 

急な階段を登っていった先には道のりとは対照的な穏やかな風景が広がっていた。展望台がある。

あ!そういえばあの展望台、さっきの山からも見えていたぞ。

 

原付を見つけたことで、裏側から登ると階段がなくて楽、ということを悟る。これも来てみないとわからない情報。

 

さっきの山から見えた小山をクローズアップすると確かに展望台が見える。

 

やはりそうだ。果ての山の展望台はさっき登った山のてっぺんからも見えていた。あっちで見てきた小さな物が、実際に来てみるとこんなでかいのだ。これも当たり前だけど体験すると感動する。


果ての展望台からはさっきまで僕自身がこっちを見ていた山が見えた。直線距離で約3キロということでかなり控えめな「果て」だが、実際に来てみるとなんともいえない達成感がある(山も登ったし)。

遙か遠くにさっきの山が見える(実は結構近い)。  

 

向こう側には何があるのか

では果てのさらに向こう、つまりこの山の向こうには何があるのだろうか。さっきいたところからは見えない部分にいよいよ光が当る時が来たのだ!

 

地味。

 

そう思って登ってきたのと反対側の道から急いで山を下りてきてみて驚いた。あったのはなんと駐輪場、しかもさっき僕が止めた自転車が止まっているではないか。ふつーすぎて言葉も出ない。

あの山から見た視界の先には小山があった。さらにその視界の向こうには駐輪場があった。結果は結果なのだけれど、なんとも素直に喜べない。

でももっと高い所から見れば、もっと感動的な視界の先に出会えるんじゃないか!そう信じてさらなる高台へと急いだ。


 

 


 
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