以前「懐かしの型抜き屋を出店!」という記事を書いた。
「型抜き」とは、薄い砂糖菓子を、描かれた絵のとおりに彫り抜いていく遊びのこと。みごと抜けた場合、その絵の難易度によって景品(多くの場合はお金!)がもらえた。お祭りのときには必ずこの屋台が立って、こづかいが無くなるまで1回100円の夢を買っていたものだ。
その「型抜き」自体を、今回は自作してみようと思うのである。なぜって?それは祭りのため―。
(乙幡 啓子)
祭り+科学的なるもの、それは
その祭りとは、去る11月8日に行われた「Make:TokyoMeeting02」のことである。我が尊敬するハードウェア・電子工作系雑誌「Make:」によるイベントで、一言で言えば「大人のモノ作り文化祭」とでも言えようか。
たまたまお招きいただき、光栄のあまり出展をOKしてしまった私だったが、さてどうしよう。他の出展者は電子工作あり、技術あり、センスあり、の方々ばかりだ。まともに出て行っては恥ずかしいことになること、うけあい。
こうなったら変化球でいこう。それが私の生きる道だ。というかそれしかないな。
その場でお客さんにも参加してもらえて、「モノ作り」という主旨にも合って、・・・イベント・・・文化祭・・・祭り・・・そうだ!型抜き屋をやろう! なんと自然な流れであることか。
そして、やっぱ雰囲気的に、科学モノをやったらウケるんじゃないか?というわけで今回「スペース・カタヌキ」と銘打ち、文字通り宇宙モノの絵柄でご機嫌をうかがうことにした。
宇宙に関係するものをネットで画像検索し、できるだけ簡便な線画で下絵を描く。とはいえ、元の画像が複雑なものはそれなりに複雑な絵になり、自然と難易度が高くなる。宇宙モノはやはり複雑な対象が多くなる。
この3段論法(?)により、「誰がこれ最後まで彫り抜けるんだ!」という図柄のオンパレードとなってしまった。ちなみに今回はゴム版を彫って型とする。一足早く年賀状作りの特訓みたいだ。
選ばれし16の絵柄はこれぞ!「科学」がテーマでありつつも、火星人がそのアカデミックな空気を乱しているぞ。
ゾウが乗っても壊れないような型を作るよ
第1の型はできた。その型をまた型取りして、型抜き菓子用の第2の型を作る。カタカタ言い過ぎだな。
第2の型は、大変だけどFRP(繊維強化プラスチック)で取ろう。型抜き菓子はたぶん大変な圧力で押し固める必要があるので、その圧力に耐えうる型でないといけない。FRPは臭い上に、塗りこむガラス繊維は危険であるからして、寒空の中のベランダ作業となる。早く作業場が欲しい。
完成した第2の型に、何やら白いプラ板がはめこんであるが、無視してください。
というわけにもいくまい。アレをアレするのをちょっと失敗してしまい、手はずがこのままではアレなので、急遽このように補完したのだ。こういうこともあります。
さて次は中身。型抜き菓子をいよいよ作っていくのだが・・・作り方を誰が知ってるというんだろう?