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ちしきの金曜日
 
「デビル」を鑑賞する

■あいかわらず分かりづらい趣味でもうしわけない

迷いながらもがんばって紹介してみたのだがいかがだろうか。いつもながら分かりづらくてすまない。記事では分からなくても、町に出て観察してみたら、なんとなく分かると思うよ。たぶん。

「分かるよ!」って人がいたら連絡ください。いっしょにデビル鑑賞に出かけようぜ。


これはかなりのお気に入り。色あせたレンガ仕上げといい、それ以外の部分のコンクリートの薄汚れ具合といい、窓の並び方といい、絶妙である。

でもまあ、2ページ目まで読み進めていただいたということは、何かしら感じるところがあったのだと解して先に進もう。 で、上の作品なんでどうですか。これちょうすばらしくない?なんていうか、絶妙。窓の下部分だけレンガ風のタイルで飾るそのスタイルはデビルの王道だし、 窓の並び具合と縦方向のルーバー状のものもすてき。そう、こういう「シャレようとしてるんだかそうじゃないんだがよく分からん」っていうのが良いのよ。

右部分の外階段の造形とその取り付き方もすばらしいし、なんといってもよく見たら全体的に凹面になっているのが、もう、かわいい。

なんかいくら言葉を尽くしても伝わらないものは伝わらないのかもしれない。だめかなあ。


これは分かるでしょう!いくらなんでも。これはあざといぐらいのデビルっぷりだよねえ。

こういうのが味わえるようになったらデビル鑑賞家として中堅クラスだ。窓部分の出っ張り具合と窓回りの彫刻っぽいデザインが野暮ったくてすてき。

例によって窓エリアが微妙に彫り込まれている点や、セオリー通りの角丸使いがなかなか。

 

■旧中心市街によくあるっぽい

ここまで見てくれば、いったいどこに行けばデビルに会えるのかを知りたくなるだろう。知りたいよね。知りたがってよ。

まあ、真新しい再開発地域でなければ、日本中どこにでもあるんだけど、ねらい目は「30年ぐらい前に中心地だった」というエリアだ。市街地というのは栄え ている中心地が2、30年ぐらいで移動するものなのだが、その移動して取り残されたあたりにたくさんある。古い商店街から一本道を入ったところとか。


古い商店街に群生しているデビル。十人十色のデビルたち。どれもすてき。選べない!

上などは典型的な旧中心市街地の古い商店街。ご覧のようにデビルがたくさん。しかもバリエーション豊か。左のものはセオ リー通りの角丸を施した窓がかわいいし、背の高いものはタイルの張り方がいかにもデビルな素っ頓狂具合。その右となりは歌舞伎がモチーフかと見える意欲的 な色遣い。個人的にはそのさらに右隣が好き。

日本中にこういう群生地が人知れずたくさんあるんだろうな、と思うとぼくの心は千々に乱れる。ああ、こんなところで記事書いてる場合じゃない。見に行かなきゃ。

じゃあ、そろそろ最後にぼくがいまのところもっとも気に入っているデビルを紹介して終わろう。


すごい。すごいかわいい。持って帰りたい。

ちょっとやり過ぎの感があるが、これはすごい。両脇と屋上のでっぱりは、なに。色とテクスチャも絶妙だし、窓枠のクリーム色の出っ張り(角丸)もキュートすぎる。左の階段室と思われる部分のガラスブロックもすてき。

■誰にも知られずなくなっていくデビル

古い建築や、有名建築家が手がけた作品は取り壊しが話題になると、少なからず保存運動が起こったりするが、デビルはそうはいかない。誰にも知られることなくひっそりと姿を消してしまう。

いや、まあきっと古くて使い勝手悪いだろうから立て替えた方が良いんだろうけどさ、なんかみんなが「見るべき建築」だと思っているものって窮屈な気がする。「なんかかわいいよね」っていうぐらいで良いんじゃないかな、建築鑑賞って。

いまのうちにたくさん見ておきたいので、みなさんからのデビル情報をお待ちしています。


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