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ロマンの木曜日
 
蒸留されて水になれ

気の抜けたコーラを発見

そうして、私がテーブルの上に見つけたものは、口の開いたコーラの缶だった。


心なしかしょんぼりした感じのコーラ

このコーラ、昨日の夜に酒の割り物にするため開けたのだが、よっぱらった私は途中で寝てしまい、まだ中身が若干残ったままで放置されていた。今ではすっかり気の抜けた、温いコーラに変わり果ててしまっている。

このまま捨てるのはもったいないので、せっかくだからこれを蒸留してみるとしよう。

冷たいうちに飲み切れなくてゴメン。そんな事を思いながらも、君には第二の人生を用意してあげるから、とお釜にぶち込む。


ちょっと罪悪感を感じます 先ほどと同じようにセッティング完了。加熱開始!
アイス(チョコバリ)を食べつつ時間を潰していたら おや、コーラのようすが……
おめでとう!コーラはなんかネバネバした物体に進化した! うわぁ……

いやはや、やってしまった。ちょっと目を離してアイスを食べていたところ、なんとなくプリンのカラメルのような甘い良い香りが漂ってきた。そしたら案の定、焦げていた。

お釜の底にへばりついたそれは、硬いカラメルというか、柔らかいべっこうあめというか、そんなものになってしまっていた。

思わぬ結果にうろたえつつ、蒸留した水をグラスに移す。


水はうっすら黄色がかっていた

この黄色はなんだろうか。原材料が赤黒いコーラだからだろうか、それともコゲの色が水にも移ってしまったのだろうか。それは分からないが、できれば前者を願いたいところ。

とにもかくにも、その味を確認。


臭いはちょっとコーラっぽい……か? うえぇなんだ、コレは

これまた酷いものができた。やけに酸っぱいのだ。それこそレモンを少し絞ったような酸味がある。それに、やはり焦げの影響かわずかながら苦味もある。焦げたレモン水というような味だ。心持ち酸っぱいかなというのではなく、明らかな酸味。

コーラの原材料表示を見てみると、そこには酸味料というものが書かれていたが、これが水と一緒に蒸留され、このような味になったのだろうか。

何にせよ、コーラも結果は振るわず。う〜ん。

 

牛乳に相談だ

冷蔵庫の中をのぞいてみると、そこに残っていたのは酒とヨーグルトと牛乳、ただそれだけ。相変わらず貧相な冷蔵庫だ。

ん?牛乳……か。よし、こいつで、試してみるとしよう。


冷蔵庫の中にあった牛乳
賞味期限が若干不安ではあるが……(この日は11月3日) 加熱するんだし、まぁいいや。やっちゃえ
おっと、火力が強すぎて牛乳が吹き立った 中火で煮込んだ結果がコレ
こんな色の水が取れました

おぉ、これは結構意外な結果だ。これまでのように透明なものができるのかと思いきや、牛乳の色を残したカルピスのような色の水が取れた。さて、味の方はどうだろうか。


匂いは……若干、牛乳の香り 味も……若干、牛乳の味

うん、色は薄い牛乳色だが、味も凄く薄い牛乳だ。見た目と味がぴったり一致。これまでのように酸味があったりはしない。

普通のお湯と比べてどちらが良いかと聞かれたら当然お湯だが、これまで蒸留してきたものと比べると、これが一番うまいかもしれない。でも、やっぱりお湯が良い。

ところで、牛乳の蒸留でお釜の底に残された牛乳、これが面白いことになっていた。牛乳を温めると膜ができるのはご存知だと思うが、長時間の加熱によりこの膜が何重にも張られ、まるで湯葉のような状態になっていたのだ。


膜を集めてみた。外はコゲているが、中は湯葉っぽい 食べてみると……これが、うまい!

これにはびっくりした。この湯葉のような膜が、うまいのだ。

私はいつも、牛乳を温めた時にできる膜は取り除いていた。口に張り付いてイヤだからだ。しかし何重にも成長したその膜の食感は、まさに湯葉。噛むとジュワーと濃い牛乳が染み出てきて、何か高級なお菓子でも食べているような気がする。

これ、砂糖をまぶしたらすごくうまいお菓子になるんじゃないか。いや、既にこういうお菓子、あるような気がする。それくらいうまい。牛乳が苦手な人はダメだろうけど、私は好きだ。

牛乳の湯葉はうまい

蒸留が目的であったのに、最後は牛乳の湯葉のうまさに目覚めた一日であった。いや、しかし、これ本当にうまいよ。

さて、肝心の蒸留だが、どんな液体も一度の蒸留くらいでは原料の風味を完全に取ることはないようだ。二回三回と蒸留を重ねることで、純度を高めていく必要があるのだと思う。でもまぁ、身近なもので手軽に蒸留を体験することはできたし、液体の色が抜けるというのも楽しかった。

実は今回、蒸留した三種類の液体の他に、もう一つだけ蒸留してみようかと思ったものがあった。それは去年この記事で空きボトル270本と交換したボージョレー・ヌーボーだ。なんと、これがまだ冷蔵庫の中に眠っていた。

もはやヌーボー(新しい)ではない去年のボージョレー

しかし封を開けてあるワインを一年放置し続けた罪は重かったらしく、コルクを抜いたら(コルクも緩んでいて空気だだ漏れだった)すっぱい臭いがしたのでさすがにやめた。多分、アルコールが酢に変化してしまったんだと思う。

あと、できれば牛乳も賞味期限内に消費した方が良いと思う。加熱したものとはいえ、お釜に残った濃縮牛乳を飲んだ後、少々腹が緩くなりました。


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