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はっけんの水曜日
 

憧れの富士山に登る(神奈川で)

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この時期、富士山では山頂に積もった雪とふもとの紅葉とが同時に楽しめるという。行ってみたい。そういえばこのところ毎年富士登山に挑戦しよう、と思ってはいるのだが、気がつくといつもそのシーズンを逸してしまっている。くやしい。

と思っていたらすごく身近なところに富士山があったのでした。

安藤昌教


富士山はやはり遠いのか

富士山の登山シーズンは一般的に7月と8月。9月はいると山小屋が閉まり、10月にはもう僕らが簡単に立ち入ることなどできなくなるという。うっかりしていたら今年ももう11月。すでに富士山は手の届かないところに行ってしまった。くやしい。

そんなことを考えながら、みかん狩りの計画を立てるべく地図で三浦半島を見ていると、意外なものを発見した。

 

 

富士山だ。

そうか、富士山って今度みかん狩りに行く農園の近くにあったのか。もっと静岡とか山梨にあるものだと思っていた。

せっかくなのでみかん狩りの下見ついでに行ってみることにした。

 

富士山の最寄り駅はなんと僕が普段通勤に使っているのと同じ路線にあった。会社に行くのと逆の電車に乗ると富士山に着くのだ、知らなかった。

もちろんもうシーズンはとっくに冬なので山小屋も閉まっているし雪も降っていることだろう。でもふもとの紅葉と冠雪とのコントラストが見れたらそれでいい。

というわけで夕方にふらっと富士山まで行ってみた。

いつも乗ってる電車だ。  
意外と寒くないぞ。 山頂まですぐそこに見える。

 

案外寒くない

ふもとの駅に着いたが案外寒くなかった。携帯で地図を確認すると山頂がすぐその辺に表示されている。これならば登れるんじゃないか、などと勘違いする。

こうして油断して死んでいった登山家たちのことを思うと足がすくむが、富士の裾野に少しだけ足を踏み入れるくらいならば許されるんじゃないだろうか。

 

富士山の入り口には小さな看板が立っていた。富士山、思っていたよりかなり地味だ。しかも裾野とはいえ、なぜか普段着でオッケーな気温だ。奇跡的に今シーズンは暖かいのかもしれない。だとしたらチャンスだ。

登山口も予想外に謙虚だ。  
団地の隣から入っていけます。 少しはいるともう道が怪しくなる。

 

危険は覚悟の上で少しだけ登ってみることにした。もちろん本来見に来ただけなので冬山登山の準備などしていない。少しでも危なくなってきたら引き返すつもりだった。

 

道があるのかないのか。
これはもう道がない、と言っていい。

 

やっぱり富士山、すごい

やはり富士山は急だった。30分くらい登ったあたりで落ち葉の山に行く手をはばまれる。しかしニュースで見たほど紅葉が進んではいないように感じた。あれは去年の話だったのかな。

 

驚いたのは携帯が通じることだ。一応登山道らしきものがあるのだが、磁石すら持っていないので携帯で地図を表示させながら富士山、と表示されているポイント目指して登った。登山も最近は便利になったものだ。

倒木が行く手を阻む。  
何か大切なメッセージのようだが読み取れず。 山頂はまだ先か。

 

登りはじめて約1時間。日が傾き始めた、と同時に急速に森の中が暗くなっていく。「秋の日はつるべ落とし」とはよくいったものだ。ここで判断を誤るとえらいことになりかねない。

危険を避け、今日の富士登山はここで引き返すことにした。賢明だ。しかしここ何合目だろうか。

 

日が傾くと一気に暗くなる。
すみません、今日はここで帰ります。

 

結構登った

帰ってからGPSの引いたラインを見ると、意外にも山頂に近い。5合目くらいまで登ってしまったようにも見えるが、植物がわさわさあるということは森林限界に達していないということか。4合目くらいかな。

しかしこれ、明るいうちならば山頂まで行けるんじゃないのか、なんて思ってしまう。急に富士山という存在が身近に感じた。

今回の富士山アタックの経路。
 

 
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