緊迫した訓練
事故を起こした3台のうち、いちばん後ろの車内に負傷者が取り残され、また、先頭車は車両火災を起こしています(という設定)。
警察はケガ人の安否を確認しつつ、トンネル内の消火栓で初期消火を試みました。
ここで、このトンネルの秘密兵器が登場。火災を検知してから1分経つと、その区画の50mにわたってスプリンクラーが作動するのです。
「放水始まります!逃げてください!」の声で、事故車周辺にいた報道陣は退却。静まり返ったトンネルの中で、皆さん固唾を呑んで見守ります。
スプリンクラーから勢いよく放たれた水は、音もなくトンネル内に広がって、事故を起こして燃えている(設定の)車を包み込みました。水はかなりの量で、トンネルの先が完全に見えなくなるほど。ただしこのスプリンクラーは消火用というより延焼防止用とのことで、炎上した先頭車がその後どうなったかは聞き忘れました。恐らくこのあと到着した消防隊によって完全に消し止められたことでしょう。
スプリンクラーが止まるころ、救急隊が到着。すぐに手際よく負傷者の救出と搬送が行われました。
僕は幸いにもいまだこういう現場を実際に経験したことがないのですが、完全に役割分担された救急隊の動きに見入ってしまいました。
さて、これでトンネル内での訓練は終了です。素早く通行止めを解除するため、今度は僕らが避難しなくてはなりません。
トンネルの横に開いた非常口から、本線に平行して通っている避難連絡坑に入ります。これは関越トンネルなど一部のトンネルにしかない設備で、以前から入ってみたかったので楽しみ!あ、いや、早く逃げなくては!
でも避難する直前、ほとんど誰もいなくなった本線の写真を撮ってしまいました。
このトンネルは上下線の間を通っていて、もともとは関越トンネルを掘る前に地質調査などの目的で掘られました。本線完成後は、上下線をつなぐ避難用のトンネルの役割を担っています。ここで待機していた送迎車に乗って、メイン会場である土樽PAまで戻ります。
続いては、事故で車に閉じ込められた人のレスキュー訓練、そして実際に火を焚いて消火訓練などが行われます。