感覚で300個〜500個つくり、そして売れる
まんまるで、でかい。1個がかなりずっしりしている。帰ってから測ってみたら一つ160グラムくらいあった。ああ、数字で聞いてもでかいのかそうじゃないのかわからない。だいたいコンビニのおむすびの50%増しぐらいの感じだろうか。このサイズどこかで……と思ったら、硬式野球ボールだった。
お店、一福はちゃきちゃきしたおかみさんが店を仕切っていた。自転車や車で乗り付けるお客さんがゆるやかに途切れない。
40年のお店の歴史の中で、いがまんじゅうは30年作っているそうだ。最初はきれいな上生菓子なども売っていたのが、だんだんと いがまんじゅうにシフトしていったのだそう。今はいがまんじゅうを1日に300個から500個作っているという。
作った分は毎日たいてい売り切れているというからすごい。早いと午前中で売り切れるらしいことがお客さんの「あ、まだあるわ、よかった!」という11時現在のコメントで知れた。
でも、毎日売り切れるとしたら300個から500個の製造数って結構差があるよなあ、と思って聞いてみたら。「まあ、そのときの感じで」作ってるそうだ。すてきすぎるアバウト。
まんじゅう15個を勢いで購入
実は、事前に電話で簡単な取材のお願いをしたついでに売り切れると困るので私も少なくて悪いかなと思いつつも「3つ」予約していた。これがおかみさんは「3パック」と解釈したようで、なんと1パック5個入りを3パック、つまり15個用意してくれていた。じゅ、じゅうごこ……。
他のお客さんを見るとどうも車で来て大量買いをするのが普通のようだった。おかみさんが3パック、と思ったのも無理もない(そしておかみさんは、私も当然車で来たのだと思っていたことが後の会話で分かった)。
見ればものすごくおいしそうだし、なにしろ長年の憧れの いがまんじゅう。ややひるんだ私だったが、せっかくだから買います! と15個全部買ってしまった。われながら豪儀。言っておくが、一つが野球ボール大である。「言っておくが」って誰に言っているのかといえば、私自身にである。
するとおかみさん、私の豪儀に答えてくださった。「若い人だしサービス」と、さらにお赤飯を1パックくれたのだ。わーー!! ありがとうございます!
「ほら、スポーツでもそうじゃない? ちょっとしたことで流れが変わるのよ。商売も同じだから。サービスひとつで流れが変わるのよねえ」
??? と思いつつ、お赤飯をいただいた嬉しさで「そうですよね!」と朗らかにレスポンスしてしまった。しかし、がばがばだった私のリュックはいきなりぱつぱつだ(左上のショウケースの写真のおまんじゅうのパック3つと奥のお赤飯のパック1つがリュックにおさまりました)。嬉しいが大丈夫なのかこれ。
味はどうなのさ
次のバスまで時間があったので、バス停の前(つまり道ばた)に座って早速たべてみた。
お、しょっぱい。赤飯にはゴマがついてなかったが、しっかり塩気がある。二口目であんこに到達すると、あまじょっぱさできゃー! となった。きゃー! おいしい、おいしいわー!
いがまんじゅうは今まで私の憧れのおまんじゅうだったのだが、食べてもこれは私のアイドルだ。きゃー、きゃー。
お赤飯のしょっぱさとあんこのあまさがかなりしっかりしている上にボリュームもあるので1個で相当おなかに来る。でも、おなかにガツンとたまりながらももう1個! となってしまった。
本気で2個目を食べてくれようかと思ったところでバスが来た。次のお店でまた1つ食べること、その後じわじわと満腹になってなかなかお腹がすかなかったことを思うと、ここで2個食べていたら旅は中断されたであろう。よかった。
|