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はっけんの水曜日
 
そうだ、ファッションプラザ・タカハシへ行こう
南大沢駅にて(多少、はしゃいでいます)


情報誌『東京一週間』や『TokyoWalker』を愛読している。何故かというと激安情報が好きだからである。
「銀座なのに300円均一のバーがあるんだぞ!」

とか、
「ドンキホーテでは、黒いドンペン、ブラックドンペンが出没、値段を底値まで書き換えちゃうことがあるんだぞ!」
とか、
それだけでときめく(逢いたい、ブラックドンペン…)。
ケチだから、というわけじゃない。いやもちろんお金は無いのだが、「滅茶苦茶な値段」というのを目にして、自分の価値観をひっかき回してアワアワするのが、根本的に好きなのだ。
心の中のちゃぶ台返し、というか、何というか。

ああ、三井アウトレットパーク入間にも行きたい。コストコにも行ってみたい。
しかし、激混みだというじゃないか。それにそもそも、車で行く所なのに、私には車がないし。

どこか行きたいなあ、行きたいなあ、と激安ハンターの血が疼いている所に、
「西東京のほうに、衝撃的な値段の服屋があるよ」という情報をゲット。
「100円以下の服とかあったよ〜」
という話をきいて、これは行かねばならない! と、新宿から京王線に乗った。

(text by 大塚 幸代

初めて降りる駅、南大沢は広くてキレイな駅だった。
駅ビルも付いていて、居酒屋やレストランも完備。
住むのには便利そうな街だなあ、と思っててくてく店まで向かう。

道も広い。自然も多い。無人の野菜販売スタンドもあった。ジャガイモを100円で買った。

少しすると、ピンク色の特徴的な建物が…。
調べた地図によると「徒歩15分」とあったが、気持ち的には10分くらいで着いた。

ここがファッションプラザタカハシのグループ店、ユニバーサルT。TはたぶんタカハシのTだろう。

そして、ユニバーサルTから徒歩5分のところにあるのが、ファッションプラザタカハシ。こちらもど派手な店構え(両店とも、品揃えのジャンルは、そんなに変化なし)。
そこで私が見たものは…。


入り口にあったポロシャツが、いきなり399円。和柄Tシャツ200円。200円!? フリマ価格だ。

ミニスカート39円。39円って何!? 一体何!? 今風のチュニックは399円。

ベストなどが100円。100円かよ! ヘビ柄でお兄系のジーパン、お財布用のチェーン付きで299円。どうしてこんな値段になるのか。

1000円のジーンズだ、安いなーと思って隣を見たら、199円のジーンズがあった。がーん。

縫製のしっかりしてるもの(ブランドもののシーズン落ち商品?)が399円だった。ちなみに定価は7900円…。

入店してから十数分。私はあっという間に、「タカハシ基準」の価値観になっていた。
ちょっといいじゃん、と思ったパーカーが1000円で、「ちぇ、高い」と思ってしまう始末。

駄目だ! しっかりしろ! しっかりするんだ! と自分の頬を両手で叩く気分で、もう一度、物色した。
こういう記事のためには、安い服をわざと買って、コーディネートしたほうがキャッチーなんだろう。でも私の美学的には、それは嫌だ。ちゃんと着る服を買おう!
そう思って選んだのはコレだ。


フリース、ボアのパーカー、599円。これからの季節、ちょっと活躍してくれそうな一枚。個人的にいっぱい持ってるボーダーシャツとの組み合わせも良さげ。
マフラー399円。男っぽい格好をしてる時、「お兄ちゃん、いい子いるよ」と歌舞伎町で声をかけられないように、ちょっと女っぽくするにはGOODかと思われる。

599円のセーター。ぶかっと着たかったのでメンズLを買ってみた。きっとこの冬、部屋着として大活躍。

トロイのカシミアセーター。何故かこういうのも売っていた、1350円。

定価を見てびっくり。……ええ?

■揺らいだ、価値観が。

他にも、リバティベルのダウンジャケットが2980円とか、下着の上下セットが399円とか…、滅茶苦茶であった。お店が近所にあったらいいのに、と心底思った。
しかし何故、綿花をつむいで(もしくは羊毛を刈って)、織って切って縫って商品にしたものが、39円なのだろう。
何が起こっているのだろう。分からない。
分からないまま手に入れて着るわけだが…、いや本当に、大切に着よう、と思う……。

違う柄のマフラーも買いました。これも399円!


 
 
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