先日ループタイが急に欲しくなって買い物に出かけた。ありふれたものかと思ったが意外と見つからず、何件目かの店でようやく発見して買うことができた。
ループタイは年配の方がつけるもので、そんなに流行っているものでもないそうだ。店の人も「父の日が近ければ置いていたりするんですけどねえ…」と言っていた。
そのくらい地味な存在であるループタイに光を当てるべく、身近な素材で作ってみることにした。
(text by 藤原 浩一)
すばらしきループタイ
なぜループタイが欲しくなったかというと、友人から「お前にはアクセサリーが足りない」と言われたことがきっかけだ。ほいじゃあ付けてみるかとなったものの、指輪もネックレスも全然つけたことがなかったのでなんとなく恥ずかしい。
そんな微妙な心理が不時着したところにあったのがループタイであった。
首まできゅっと締めるのが本来の付け方なのだろうが、ちょっとゆるめてみてもネックレスっぽいのでいいと思った。おそらくまわりの友人に聞いても正解など知らないだろう。そしてループタイに正解などないのだ。
ゆるめても
で、このループタイのキモとなる石の部分なのだが、店にあったラインナップを見る限り琥珀やらべっ甲やら焼き物やら、いわゆる宝石然とはしてない「綺麗な石」的なものが使われているようだった。
紐の部分もただの紐で、ネックレスみたいな金属ではない。紐と綺麗な石でできたアクセサリーというのが大変地味で気に入っている。
石としては綺麗だが、宝石というには地味だ
綺麗な石でループタイをつくる
綺麗な石を探してループタイを作ってやろうというのが今回の主旨だ。もとから派手な宝石を使わないループタイならそれほど違和感がないだろうと思われる。
というわけで綺麗な石を探しに川原までやってきた。やってきた、というかやってきている。さっきから「ループタイを買いました!」という、ただの僕の個人的報告が荒川の川原でなされていたのはそのためだ。
一応河原の写真を挿入しておく
まず石を探す前に、石以外にループタイを作るのに必要な材料をすでに揃えているので紹介しよう。たった3つだ。お手軽にできるのがループタイのいいところ。
紐ですね。1m100円くらい
手芸屋さんでひっそりと売られているループタイの石の土台パーツ、紐の先につけるパーツ、そして太さ5ミリの紐だ。ループタイひとつ当たり600円くらいの予算で出来上がる。
僕の買ったループタイは5000円だったが、あの地味な石の値段は計算しないでおこうと思う。
綺麗な石を探す
それでは綺麗な石探しに入ろう。荒川沿いの広大な土地にころがる石の中から、ループタイにふさわしいものを探し出すのだ。
やっていることが石拾いでも
秋の荒川の河原は気持ちがいい。埼玉には「嬉しい時は荒川 悲しい時も荒川」という諺があるが、それに僕は「ループタイにつける石を探す時も荒川」という言葉を付け足したいと思った。
もちろんそんな諺は始めから無いわけだが、見つけてきたループタイ候補はこちらの石だ。
荒川のパワーストーン