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ひらめきの月曜日
 
小京都はどれくらい京都なのか

清水の舞台を目指して山道へ

目指す奥の院は本堂から15分程度歩いたところにあるという。心付けの300円を納め、脇の参道から山へ入る。


立派な本堂の脇の小道に入って、さらに奥へ

涼しげな参道の眼下にはせせらぎが流れ、気持ちいい

奥の院へと続く道はけっこうな勾配がある上、だんだんと足元もぬかるんできて、わりと体力を消耗する。先日の6周年企画のときもそうだったが、最近の僕は秘境に縁があるみたいだ。2週連続でハイキングをすることになるとは思わなかった。

しかしながら、参道には等間隔にありがたい教えが書かれた立札があって、そこに前向きなことが書いてあるので、励まされながら進むことができた。


前向きなお言葉に励まされながら歩く

前後にある看板の温度差がおもしろかった

そして、それはふいに現れた。切り立った断崖の上に、木の柱が組まれ、その上に赤い拝殿がある。これだ。

そうそう、たぶんこんなんだった清水寺。規模はかなり小さいが、確かに清水の舞台っぽい。


自然の中で静かなオーラを放つ栃木の清水寺(奥の院)

拝殿を支える柱の部分を間近に見ることができる

脇の階段から拝殿の内部へ入れます

息を切らせながら、奥の院の舞台に降り立つ。舞台から見える景色は絶景というほどではないが、荘厳でいかにもパワースポットという感じがした。

清水の舞台ほどの絶景ではないが、しみじみと和む風景だ

境内の社務所で買ったおみくじを開けたら大吉だった。万歳!ぼくは幸せだ

拝殿の奥にはさらに洞窟があり、そこには鍾乳石で造られた何とも神秘的な十一面観音が鎮座していた。いちおう写真は撮ったのだが、バチが当たりそうなのでここには載せないでおく。見たい方はぜひ足を運んでみてください。しっとりと濡れていて、丸みを帯びた、それでいて力強い素敵な観音さまですよ。

それにしても、この拝殿の中にいるだけで心が洗われる気がする。実際、ここに来て京都を感じるかといえば「そうでもない」というのが正直なところだが、そんなことはもうどうでもいいじゃないか、という大らかな心持ちになれる。

あいまいなものをあいまいなままにしておいた方が、事がうまく進むこともある。それが大人のマナーというものだ。

小京都がますます分からなくなった

いちおう最後は真面目に結論づけてみよう。今回訪れた栃木が京都っぽかったかと聞かれても、ちょっと僕にはよくわからない。「まあ、そうかもね〜」とお茶を濁したくなる感じだ。そのモヤっとした感じこそが「小京都」なのかもしれない。

いずれにしても栃木はとっても楽しい街だった。
小京都とか抜きにして、今度はじっくり観光したいと思う。

満願寺門前のそば処「さとや」さんの天ぷらそばが旨かった。「バスが2時間来ないので時間をつぶしている」とご主人に言ったら、駅まで軽トラで送ってくださった。ご主人、その節は本当にありがとうございました。


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