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ロマンの木曜日
 
ごはんに合うフレンチ調べ

一品目:

フォアグラとふろふき大根のミルフィーユ仕立て
ほうれん草のソース


これを目の前にして「うまそう」とかアホみたいな言葉しか出てこない

フォアグラを使った一品目は、ブイヨンで煮込んだ洋風ふろふき大根の上にソテーしたフォアグラを重ね、ほうれん草と炒めたタマネギなどをミキサーにかけてペースト状にしたソースでいただく、意欲的な一皿。明らかに洋の食材であるフォアグラと、和の食材である大根、そしてほうれん草のソースが奏でるハーモニーはどんな音色なのでしょうか。

と、ここまでは料理の鉄人の実況だった福井アナの声で読んでください。

個人的には、フォアグラの少しクセのある油っぽい感じは、例えばウニやからすみのように、珍味としてごはんに合うのではないかと思っているのですが。

「本当はこれを2段に重ねてミルフィーユっぽくしたかった」という早川シェフ。急遽同じものを2皿作ることにしたためミルフィーユではなくなりましたが、そんなことは気にせず、いただきます!


明らかに違和感のあるセッティング さっそくいただきます
急いでごはんをひとくち もぐもぐ……うーん……

結果から言うと、フォアグラは想像していたほどごはんに合う、というわけではありませんでした。この一皿自体は、濃厚なフォアグラとスープが染みた大根のさっぱり感がちょうどよく混ざり合って、そこにほうれん草のソースが一本筋を通して束ねる感じで、いくらでも食べられそうなほどおいしいです。特に、味の濃い同士であるフォアグラとほうれん草のソースをマッチングさせたのはすごい。早川くん、きみ本当にフレンチ初挑戦か!?

しかし、フォアグラ独特の臭みが白米の臭みと見事にぶつかるので、これが合うと感じるかどうかは好みが分かれそう。早川シェフは「ごはんイケる」とかき込んだものの、「やっぱりフォアグラにはごはんだよね、というほどではないなあ」との感想。

ごはんとの比較のためにいちおうパンも用意しておいたのですが、この味つけだと大根もまったく問題なく、相性はバッチリ。


でも「これはヤバい、うまい」と完食の早川シェフ パンはまったく問題なく、おいしい

なんだか惜しい感じですが、味つけ以前に風味の問題なので解決は難しそう。ただ、ひょっとしたら新米が出る直前という時期が悪かったのかも知れません。


ごはんに合う度 ★★
パンに合う度 ★★★★


二品目:

真鯛のポワレ タイム風味のきのこクリームソース
ハッシュドポテトを添えて


見た目は当然として香りも凶悪にうまそう

二品目は真鯛のポワレ。表面をパリパリに仕上げ、その上に同じくパリパリにしたハッシュドポテトが載っています。下には濃厚なきのこクリームのソースが敷きつめられ、見た目だけでなく香りでも惹きつけられる一品です。

ぐわああああ。これはうまそうだ!でも、クリームソースがごはんと出会ってどうなるかがまったくの未知数。


ではいただきます こ、これは!(ちなみに後ろでTVを観てるのは父です)

これはうまあああああい!!

まず鯛もポテトも表面パリパリ、中から脂がじわっと出てきてそれだけでも十分うまいのに、このクリームソースとの相性が抜群。そして、ごはんとの相性もバッチリ。ひとくち食べて魚のパリパリ感を口の中で感じた瞬間、脳が「ごはんくれ!」と全身に指令を出すのが分かるほどです。

さすが真鯛!もともと和食にもよく使われる素材だけあって、魚の脂とごはんが最強のタッグを組みます。


早川シェフ「これは合うねー」 パンにソースをつけて食べてもおいしい

しかしきのこクリームソースがごはんとケンカしないのは意外でした。理由を考えていると、早川シェフが「リゾットに近い味だからでは?」とのこと。それだ!

もちろんパンとの組み合わせもまったく文句なし。ごはんでもパンでも、自信を持ってお勧めできる一品となりました。


ごはんに合う度 ★★★★
パンに合う度 ★★★★

これだけ合う合う言っているのに4つ星なのは、このあとに肉料理が2皿控えているから。「牛肉は、これを越えてくるのではないか」という全員の期待感があったからです。


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