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フェティッシュの火曜日
 
初めての野宿入門

さあ、野宿をしてみよう

雨が上がる頃にはすっかりと日が暮れて、遊びに来ていた人達も終電で帰り、そろそろ寝ましょうかという時間になった。さあ、これからが憧れの野宿の本番だ。

かとうさん、編集部の山沢さん、そしてカメラマンさんはみんな野宿慣れしているので、適当な場所にマットを敷き、寝袋に入ってすぐに寝てしまった。

私はというと、季節は夏だし家の近所だし、どうにでもなるだろうと思って寝袋を持ってこなかった。腰を下ろしていた薄っぺらいゴザの上にごろりと横になり、一応持ってきたフリースの膝掛けとバスタオルでどうにか寝る努力をする。

これがぜんぜん眠れない。


猫に見守られながらの野宿。野犬じゃなくてよかったにゃん。

布団に慣れた人間は、ゴザの上では眠れないという発見。

夏とはいえ雨上がりの川縁は風がつめたく、そして蚊がプーンプーンと飛び回っている。さらにはシーバスを狙った釣り人がすぐ近くを通り過ぎる(河原で寝ている方が悪い)し、この小屋を建てたおっちゃんも見物に来る。まったく落ち着かない。

 

正直、家に帰りたい

それでもどうにか頑張って寝ようとしていたら、耳元で「ガサガサガサ」という生き物の気配。

初めての野宿、ちょっと川口浩探検隊の気分になっていたので、「すわ、サソリか!」と飛び起きると、そこにいたのはカニだった。


ガサガサガサ。挟まれなくてよかった。

寒い、痒い、怖い。

私がこれほどまでに野宿という難敵と戦っている中、みんなは蓑虫のようになってぐっすりと眠っている。。もちろん人生に置ける経験値の違いもあるが、なるほどスッポリと身を隠せる寝袋は偉大である

一度家に帰って寝袋を取ってこようかとも思ったのだが、家に帰ったら間違いなくそのまま寝てしまうので我慢。家が近いから軽装でいいかなと思ったのは、とても大きな間違いだった。

ああ、家が恋しい。これがホームシックというやつか。

家の近所でなにやっているんだろう、俺。

 

それでも朝はやってきた

どうしても眠れないので河原をウロウロしていたら、草むらからヌッと人が出てきて驚いたり、コガネムシが顔にぶつかってきたり。もっときっちり酔っておけば眠れたのだろうか。

それでもどうにか時間をつぶし、対岸から朝日が昇ってきた頃、ようやくウツラウツラと寝ることができた。


熟睡し続ける人達。君たちが起きないと私は家に帰れない。

一時間くらいして起きたら、酒でむくんだ上に、瞼を蚊に食われて、いつも以上に酷い顔となっていた。


はい、疲れました。

一人野宿は来年まで保留

取材を終えて家に帰り、熱いシャワーを浴びる。ごろんと布団に横になって、そのまま15時間寝続けた。

家、最高!布団、最高!

外の世界から隔離できる家って素晴らしい。でもやっぱり、道具さえちゃんとしていれば、一人野宿って楽しそうなんだよなあ。

私にとって初めての野宿は、一人野宿への憧れが強まったのと同時に、家の布団で寝ることの素晴らしさを実感するという、相反する感情を持つ結果となりました。

ウナギはたくさん釣れました。

この日の話は、9/19に発売された週刊大衆 シャイ!という雑誌に掲載されています。そっちは私は書いていないので、ぜんぜん違う内容になっています。よろしければぜひご一読ください。デイリー金曜ライターである大坪さんが書かれたすごい記事も載っていますよ。

売り場はだいたいエロ本コーナーです。未成年の人は、保護者の人に買ってもらって、そのページだけ切り取って読んでください。


 
 
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