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土曜ワイド工場
 
中国の列車内ウオッチ

カップ麺の数だけ人生がある



 給湯器は本当に中国人乗客に大人気なのか、それが知りたくて給湯器の近くに立ち、様子を見ることにした。

 様子見というのは、時間をかけてじっくり見て調べることだが、次々と乗客がカップラーメンを持ってきて給湯器でお湯を注ぐものだから、様子見するほど時間がかからずわかった。給湯器は必要だと。


給湯器待ちの乗客が何人もあらわれた!給湯器は大人気なのだ。

左の乗客は2人分のカップラーメンの湯を入れる。
同乗の友人に頼まれたのだろうか。カップ麺それぞれにストーリーがあるようだ。

我慢できなくなったのか、ひとりは湯をそそぎ、
ひとりは給湯器の上でかやくを入れる。

一杯のかけそばならぬ一杯のカップラーメン。
今、このカップラーメンはきっとこの二人のキューピットだ。

 

茶葉が入ったマイ茶瓶に湯を入れるのが中国流

 車内の給湯器はカップラーメンだけのためにあるのではないが、さりとて、ほぼカップラーメン専門になっているのも否めない。個人的には本命に思っていたけど実は少数派だった、飲み物用途での利用っぷりを紹介しよう。


使用済のペットボトルに熱湯をいれ、水筒代わりに。

子供もマイボトルを持っている。何気にエコロジーではないか。

ガラス製のマイ水筒を持っている人も多かった。

女性はガラス製マイ水筒に、花茶の茶葉が多数派。

紙コップを使う人もいたが、実はこの人ひとりだけ。超レアだ。

これまた激レアな給湯器の使い方をする乗客。
弁当箱の中をかきまぜて…

じゃーーーっと流してお掃除。
 

やけど注意

 4時間の乗車時間の中で、給湯器を利用した人をカウントしてみれば、カップラーメンは約50杯、お湯やお茶は約10杯(それに食器洗いが1杯)と、カップラーメンに使う用途が圧倒的だった。カップラーメンに限れば、5分弱に1回の割合で誰か給湯器のところに行っては、お湯を注ぐのだ。しかもそれが1列車でなく1車両でこのスケールなのだ。

 改めて思った。中国においては、長旅において給湯器は命の機械であり、お湯は命の水だと。

 給湯器の湯はかなり触ったらやけど間違いなしなほど熱いので、お湯には注意しよう。ダチョウ倶楽部のネタで出てくるアツアツおでんより熱い。

 すぐには熱すぎるからお茶もお湯も飲めないし、カップラーメンも食べれない。食べたいのに食べれない、この食べたいのに食べれない「じらし」もまた、食事をおいしくいただく上で必要な、中国4000年の中で生まれた知恵なのかなと思った。

日清のカップヌードルを持ってきた人も1人いて嬉しかった。

 
 
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