餅まきが始まりますよとアナウンスがあって、人々がやぐらに集まる。自分もなるべく良さげな場所（餅が飛んでくる予感のする場所）に陣取った。
そこで周りを見渡して気づいたが、人の数が縄文祭りの比でない。ざっと見ても１０倍以上いる。集客力が人気タレント並だ。餅が。
この人数に対してどの程度の餅がまかれるのか定かでないが、ライバルが多いのは事実。この状況で前回の記録を越えられるだろうか。
続々と人が集まってくる中、やたらカラフルな模様が描いてある餅ゲットマシーンを取り出す。それにしてもなぜこんな模様があるのか。
それは家にある不要な紙で作ろうとしたところ、デザインの専門学校に通ってた頃の課題を描いた紙しか適当なのが見つからなかったからです。
先ほどからやぐら上で続いていたえらい人の話が終わり、ついに餅まき開始の合図が出る。
そして餅は投げられた。
ただ立ってるだけなら楽だろうと思っていたのが間違いだった。大勢の人が餅を求めて押し合いへし合いする餅まきで、普通に立ってるということ自体がかなり困難なのだ。餅ゲットマシーンも潰されて効果をなかなか発揮できない。
結局、荒波に堪え忍のびながらただ立ってるだけで餅は手に入ったのだろうか。その結果を餅まきの様子と共に動画でどうぞ。
いつのまにか袋の中に餅が一つ入っていた。
一体どのタイミングで入ったのか。混乱の中だったので分からなかったが、たぶん誰かの取り損ねが跳ね返って入ったのかもしれない（親切な誰かが入れてくれたとかではないと思う）。
縄文もちまきの二個という成果に比べると一個というのはダメっぽく写るかもしれないが、でもあのときより競争率が１０倍以上あるところに、立ってるだけで手に入ったのは成功と言ってもいいんじゃないか。
それに獣のように争わず自分の食べる分だけを取るというのが、次世代の餅まきであるのだから。
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