撃て!かめはめ波っぽい何か
かめはめ波を出したい。原作では50年以上修行しないと出せないという設定もあったようだが、そんなに長い間修行なんてしたくない。1年だって無理だ。
仮に50年修行したとしたら、私は85歳になっている。かめはめ波の威力もさぞしょぼいだろう。
そういうわけで頼ったのが手品道具。手品カタログやネットでの販売店を調べて、これはいけるんじゃないかとたどり着いたものを注文した。
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こいつがそうです |
届いたそれは、5cm四方ほどの小箱に入っていた。添付の説明書を読んでみると、イメージしているものが出せそうな予感が高まってくる。
ここで道具の名前を明らかにせず、写真も実体をぼかしたものにしているのには理由がある。手品を趣味とする妻によると、手品のネタというのはいたずらに おおっぴらにするべきではないというその世界の文化があるらしい。アイデアを発明した先人に対する敬意であるだろうし、人を驚かせるという手品文化を維持 ためにも不可欠なマナーだろう。
そういうわけで、「こうするとかめはめ波が出せる」という点については、この記事では明らかにしないこととする。現象そのものを純粋に味わっていただければと思う。
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出してみせるぜかめはめ波 |
さて、こねこねと仕込みして、いざかめはめ波の構えをしてみる。よし、今の自分なら出せるはずだ。もうぐずぐずでは終わらせない。
いくぞ、か〜め〜は〜め〜波ー!
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おお、小粒ではあるがかめはめ波っぽいものが光とともに放たれたぞ!
別にやっつけようとしている敵がいるわけでもないし、あんまりでかいのが出ても、いろいろと物が壊れたりして困るので、気軽に出せるサイズとしてちょうどよいとも思う。
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はい、出ましたー! |
軽く夢が叶った感じも湧いてくる。これは誰かに見せてみたい。オラの元気を見てくれろ。原作の主人公がそんな言葉遣いだったか怪しいが、ちょうど実家に帰ってきていたので、階下の両親を呼んできた。
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息子がまた何か始めるってさ |
しかし、両親に「かめはめ波ってのがあってさ…」と説明しても、理解は得られないだろう。そればかりか息子に対する失望にもつながりかねない。そういうわけで、ここは「手から何か出すからちょっと見てて」という説明にとどめる。
はい、いきますよー、かめはめ波ー!
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結構なインパクトがあったようで、2人とも驚いた様子を見せている。母が驚いて「なにそれ!」と言っているが、答えを言うとするならば、「かめはめ波です」ということになるのだろう。
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結構なりきってるっぽい自分の表情に照れる |
さあ、自分で放てるようになったなら、この技を伝承したい。そして自らかめはめ波を食らってみて、威力のほどを身をもって確かめておきたい。
原作とは逆になるが、父にかめはめ波の出し方を教えます。
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息子から父へ伝承されるかめはめ波 |
構えや力の溜め方をレクチャー。その辺の演出的要素をおさえた上で、最も重要となるトリガーの仕方とタイミングを伝授。と言っても、3分くらいで終わってしまった。
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今放たれる、父から子へのかめはめ波 |
「あん、わかったわかった」とライト感覚の父。ちゃんと出してくれるだろうか。かけ声も見本を聞かせて練習してもらった。さあ、父が放つかめはめ波を実際に食らってみよう。
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…不発だ。あれ?
かけ声の独特な発声が悪影響を及ぼしたか。いや、それは関係ないはずだ。ああ、そうだ、仕込みをしたのは私だったのだが、一つやるべき手順を忘れていたのだ。
原因は私にあった。さてもう一度仕切り直し。今度こそかめはめ波が飛び出るはずだ。
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なんだろうね、この驚きとおかしさが混じった気持ちは。
しっかりかめはめ波は放たれている。孫悟空というよりは、亀仙人のかめはめ波だろうか。
偶然なのか意図的なのかよくわからないが、「かめはめ波、波ー!」と、かけ声にアレンジが加わっているのは謎なのだが、やはり正面から受けるとそれなりの迫力はある。
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なんだかメモリアルな一枚 |
自分でやったことながら、動画を繰り返し見ては何度も声に出して笑ってしまった。本来、かめはめ波は敵を倒すための武器としての技であろうのに、実際に出るとかなりおかしい。
父も母も、「うおっ」となったあと、げらげら笑っていた。
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