北京ダック…って、食べたことがあっただろうか。 親戚の集まりか何かで行った、豪華っぽいバイキングで、一口齧ったような、齧らなかったような。 だから、いわゆるテレビの旅番組で見た画像しか思い浮かばない。肉眼で見た記憶がない。丸くて飴色の、ぼんやりキラキラとしたイメージ。
んだそうだ。
食べてみたい。しかし、食べる機会はそうそうない。スッポンみたいに、人を誘って食べるほどでもないし。うーん。 じゃあ、似たモノを…自宅で作れないだろうか?
(text by 大塚 幸代)
まず、ダック=アヒルを探してみた。 見つからないかと思っていたが、アッサリあった。新大久保の肉専門店と中華食材店に、丸々一匹、冷凍モノの在庫が。しかしこれが、やたらとデカイ。頭からおしりまで、60センチ位はあっただろうか。 じっと眺めた末、「一人暮らしのアパートにある調理器具では無理! っていうか冷凍庫に入らん!」と考え、結局、鶏肉で代用することに。
もも肉、ぼんじり(テール)、皮オンリー3種を試してみることにした。
本式は アヒル本体にお湯をかける→飴を水で溶かしたものをかける→4、5時間風干し→釜で40分くらい焼く→出来上がり
という行程らしいのだが、「出来るのか全然分からないー」と思ったので、方式を2つに分けた。 1つは、失敗無さそうで時間もスグに出来る、簡易版の作り方。 1つは、無謀にも、本家北京ダックをなぞった作り方。
簡易版は、家にある「中華っぽい調味料と醤油と酒と砂糖」を混ぜて、ジップロックに1時間弱漬け込み、 フライパンで焼くという、いたってイージーなやり方。
あっというまに出来た。しかし、これはこれで、ウマい。
……きゅうり、にんじん、しらがネギを添えて、食パンをちょっと潰したもの(春餅という中華クレープのようなもの、の代用)で包んで食べれば、気分も出る。 でも、やっぱりちょっと物足りない。
もうひとつの方法を試してみることにする。
まず、鶏肉をさっと湯通しして、
ツヤを出すために、家にあったアイスコーヒー用のシロップを塗りたくってみた。
そして「いつか使えるかも」と思って買っておいたネットを使って、洗濯物と一緒に干した。 しかし途中で雨が降ってきたので取り込んで、クーラーの冷気の下で一昼夜、さらに干してみた。
こんな感じだったのが、
こんなふうに変化した。こ、これはイケるんじゃないか?