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フェティッシュの火曜日
 
普通のミシンで刺しゅうをしてみたが・・・

刺しゅう、なめんな

なめてた話は後にして、とにかく図案を素材に描き写さねば。まずはエコバッグからだ。

夜中にベランダに出て、家の中の光を頼りに窓ガラス越しにトレース、という地道な工程を経て(写真は撮り忘れた!)、なんとかトレース。上腕三頭筋がしびれてきたので、部屋に戻って細かい部分を描き足す。


見ざる・・・をトレースするのは生まれてはじめてだ。

で、今回の刺しゅうのここが肝心。「とにかく縫っていくこと」。

私はほぼ刺しゅうの心得はない。よって、どの部分をどのテクニックで、というイメージに欠けるのだ。テクの欠落を、心意気で補おう、そういう今回の試みなのだ。

どんなに無理だと思っても、とにかく進む。とにかくスキマを埋める。という指針のもと、いきなりミシンに布を突っ込む!


行け!
進め!どんなにわからなくても。
糸の色も頻繁に替えろ!
ダメだと思ってもとにかく前へ!
あちゃー。
などと思うな!埋めろ!

アイキャンドゥーイット!イエス、アイキャン!俺はできる!やればできる!ユーエスエー!ユーエスエー!

と、まるでアーミーのように、ということは全くなく「ここはこの縫い方でよかったのか?」「もっと他にやり方はないのか?」「これは成功するのか?」と自問自答しっぱなし。逡巡に次ぐ逡巡を繰り返した。


丸い、花のような部分は、ジグザグ縫いを円形にしてしのいだ。
ぐりぐり縫ってるところ。布のターンを繰り返してくちゃくちゃになってる。

このままもう一生仕上がらないような気がしてきた。私のライフワーク、もうこれで決定か。皆さんさようなら。そんな思いがのしかかってくるほどに、ベタ塗りならぬベタ縫いがこんなに時間を食うものだったとは。ぜんぜんお手軽じゃない。

朝方近くなって完成にこぎつけたエコバッグが、これだ。


布、つれまくり。薄い布はそりゃそうなるよな。

あまりに時間がかかって、省いた箇所がぽつぽつ。

クレヨン画のようでもあり・・・しかし何だろう、そこはかとなく漂う「じいさんの描いた絵」っぽいテイストは。そう思えば、こういうバッグもオシャレ系の一端としては有りかもしれない。


18時間かけてこれか。
 
ジグザグ縫いとか併用しようと思いつつも、結局は1つの縫い方しか使わなかった。

時間かけた割にはよくわからないものができてしまって、ビックリだ。結局死者の書には全然手がつけられなかった。

未だに、これをどう心の中で処理したらいいかわからない。

でも、そうだ、これ持って絶対お散歩に行きたいと思うから、たぶん成功だろう。

何と言っても「見ざる言わざる聞かざるのエコバッグ」だ。と思ったらまたよくわからなくなった。


 
 
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