楽しい時間は早く過ぎるのか
それ以上自分を痛めつけるのはもうやめて!誰もそうは言ってくれなかったので、自分で言った。辛い毎日とはもうさよならだ。ここからは楽しい時間をすごして、時間の速さを調べるのだ。
マンガを読む
いきなり地味ですみません。体を張ったあとは、マンガでも読んで、だらりとすごそう。好きなマンガに没頭している時間は、きっと短く感じるはずだ。
大学時代に好きだったマンガを、久しぶりに読み返してみる。たまにこういうことをするとマンガの内容と一緒に当時の思い出なんかもよみがえってきて、なんだかソワソワした気分になる。
ただでさえソワソワしているのに、ハトが柱の上に乗っかったり、子供がぐるぐる回り始めたりと、小規模に変なことがいろいろ舞い込んできて、気は散り放題だ。それでも負けるものかと必死で集中した体感時間3分。もはや楽しかったのかどうかもよくわからないが、結果は4分15秒65だった。実際の時間より、1.4倍速く感じた。
ショッピング
次はショッピング。欲しいものが見つかっても見つからなくても、趣味のものに囲まれる時間はそれだけで楽しく、時間を忘れてしまうものだ。そんな楽しい時間を過ごすべく、近くのレコード屋にやってきた。
滞在時間3分という制限時間があると、かえって集中力が高まるものだ。このとき中古盤の新入荷の箱をパタパタとチェックする僕の手際のよさは、熟練した職人のそれであったはずだ。すぐに箱は端まで見終わり、あとはどの棚を見ようか、ちょっと考えているうちに、そろそろ3分の予感がきた。
店から飛び出してストップウォッチを止めると、3分13秒03。正確な時間の約1.1倍と、ちょっとだけ速く時間は過ぎた。
駅でビール
マンガ、中古CDときて、駅でビール。なんだか自分の「楽しい」観のだらしなさがどんどん露呈してきた。どんな自堕落な休日を過ごしているか見透かされそうで恐ろしいが、実験はつづくのだ。
ビールを一口あおると、頭の中で昼間の苦労がよみがえる。たくさん走って、強烈な痛みにも耐えた。体を張った撮影のあとは本当にビールがうまい。体を張った、といっても両方合わせて4分にも満たないわけですが。
結果は2分41秒97。実時間の0.9倍と、予想に反してちょっと遅く感じている。ホームの端からは遠くまで線路が見えて眺めがよく、ずいぶん楽しい気分だったのだ。それでも時間を長く感じたのは、特にやることがなくて手持ちぶさただったからだろうか。それとも酒が入って時間の感覚がぐにゃんとねじれてしまったのか。
楽しい時間の過ぎる速さ・まとめ
ということで、楽しいことはやっぱり短く感じる。でも酒が入るとちょっと怪しい、という結果になった。
次のページではちょっと視点を変えて、あの場所での時間の経過を探ってみます。