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はっけんの水曜日
 
なんでもゼリーの素になれ
ゼリー、ゼリー、ゼリーを食べよう♪

 ある暑い日。ゼリーを食べようと冷蔵庫を開けたら、楽しみにしていたあのゼリーが、オレンジ色の酸っぱくて甘いあいつが、なかった。

「え、あれ。」

「ねぇ、ゼリー知らない?」

「ああ、食べた。」

ガーン。

(text by 松本 圭司

■冷蔵庫にはゼリーが無かった


ゼリーがあるはずの場所にはヨーグルトが。うぉー!

ねぇ、ゼリーが、ゼリーがないよ・・・・・。

ゼリー食べたいよぉ!ゼリー!ゼリー!食べたいよぉ!!

 食べようと楽しみにしてたものが無くなっているというのは非常にガッカリするものだ。32にして床を転げ回る醜態をさらしてしまった。でも、それほどに今僕はゼリーを食べたいのだ。その時聞こえたんだ。

「ゼリーが無ければ作ればいいじゃない」

わかった!作るよ!今日はゼリー革命だ!


これでゼリーを作ろうってな魂胆です。

■こんな時はグミでゼリーだ

 僕は知ってるんだ。グミでゼリーが作れるって。あれはそう、4年前。夜中に突然ゼリーが食べたくなって、でも買いに行くのも面倒だしゼリーの素も家になくて、視界にあったグミでゼリーを作ったことがあったのだ。

 あの時は思惑通り見事にゼリーが出来た。今回もきっと美味くできるに違いない。そう思って、グミを水と共に鍋に投入して煮込んだ。

果汁グミを一袋投入。はたしてゼリーになるか。
グミは煮込むと簡単に溶けます。煮詰めたらコップに入れて冷蔵庫へ。

■グミゼリーは固まるか?

 グミがグミとして固体を成しているのはゼラチンの力だ。ゼリーはジュースなどの甘い汁をゼラチンで固めて作る。つまり、両者が固まっているのは同じゼラチンの力なのだ。

 ってことは、グミを溶かして冷やせばもう一度固まるのが道理なのだ。なにこの出来レース。最初から結果がわかって記事書いてるんだぜ。さぁ、予定調和の結果を見せてくれたまえ!

この時はそう思ってましたね。


どう見ても液体です。

 これが、固まりゃしねぇ。まるっきり液体だ。白状するが、全然固まらずに2回追加で煮詰めた。最初は上の写真のコップ上部にある白い線までグミ汁が入っていたのだ。それを煮詰めて1/4くらいにした。でも、固まらなかった。

 正直原因はよく判らない。が、固まらなかったという結果だけはよく判っている。そうか、固まらなかったか。という事は、失敗だ。


ゼリー食べたいよぉ!ゼリー!ゼリー!食べたいよぉ!!

いや、駄々をこねていても仕方ない。失敗したら当然成功するまで続けるのが大人ってもんだ。見てろ、子供達!


ハイチュウ、美味いよね。溶かすのがもったいない。

■次はハイチュウゼリーだ

 ハイチュウって食べてるとゼラチンの匂いがするじゃん。原材料にもゼラチンって書いてあるし、グミよりも強固な感じだし、きっとこれは煮詰めたらゼリーになるに違いない。

という訳で、ハイチュウを溶かしてゼリーを作ってみることにした。

 作り方はグミの時と同じで鍋に水とハイチュウを放り込んでひたすら煮るだけ。果たして今度は成功なるか?


■ハイチュウゼリーは固まるか?

まぁ、ぶっちゃけ失敗だったよね。


味はフルーチェの原液に似てます。フルーチェ作れそう。

 全く固まらなかった。ちょっとだけとろみがあるだけ。味は、もの凄く濃い。ハイチュウを食べている時の唾液の味そのものだ。とろみが余計に唾液っぽくて、なんだか妙な気分になった。

 液体の上にオレンジ色の皮膜が出来ていた。食べてみたら、とってもフルーティーな味がした。これは、ゼリーじゃなくて液体ハイチュウだ。うん、見りゃわかる。

ヤバイ、この企画、失敗かもしんない。という心配を救ったのは耳だった。

誰の?ブタの。


普段から食べてます、ミミガー。

■ミミガーでゼリーだ

 ブタの耳、ミミガーはコラーゲンの固まりだ。コラーゲンはコラーの素だからコラーゲンだ。コラーってのはゼリーの事だ。ウソだ。

 ウソはともかく、ミミガーがコラーゲンの固まりで、コラーゲンが多い素材を煮込むとゼラチンが採れるのは本当だ。ってことはだ。

ミミガー→コラーゲン→ゼラチン→ゼリー

勝利の方程式が導き出された。

さぁ、解を求めよう。

うほー、美味そう。酢みそで食べたいが刻みます。
刻んだミミガーをグレープジュースと一緒に鍋で煮込みます。さぁ、ゼリーになるか?

 

■ミミガーの威力は凄かった

 「ミミガーのブドウジュース煮込み」、なんて名前にするとなんだかフレンチっぽいが、出来たらコップに入れて冷蔵庫へ。数時間待って出来たミミガーゼリーがこれだ。

ジャーン。


プルプルです。エロイ!

 ミミガーゼリーは見事に固まった。もう、プルプルだ。表面になんか脂みたいのが浮いてて、ちょっとケモノの匂いがするけど、概ねグレープゼリーの趣だ。やっと念願のゼリーが出来たのだ。早速食べてみようじゃないか。


さぁ、美味いか、マズイか、どっちだ?!

く、くせぇ・・・

 これが、ものすげーケモノ臭い。なんでかというと、ケモノ臭い脂とか豚骨ラーメンみたいなうま味の何かがゼリーの表面を覆っているのだ。それがブドウ味と相まって、非常にいただけない。

 だがしかし。それを避けて下の方を食べると、お、フルーティー!と一瞬思ったりする。下の方はちょっとマシだ。でも、一瞬だ。あとからブタが追いかけてくる。

ぬぉぉぉ、ブタ!ブタは後から追ってきた。ゼリーのブタ追い祭!

方程式の解は、ブタ追い祭だった。

 ゼリーとしては固まって最低限の条件はクリア出来たっぽいのだが、味はいまいちだった。次のページでは他の食材で、もうちょっと改良したゼリーを作りたい。



 

 
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