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ひらめきの月曜日
 
地図記号の「荒地」に行ってみる
 


 何年生のときだか忘れてしまったが、社会科の時間に地図記号というものを習った覚えがある。

 地図上で建物や土地の利用について表すための地図記号。調べたところ、学校で習ったのは国土地理院が作っている25000分の1の地形図に使われている記号であるようだ。オフィシャルな地図記号と言えばよいだろうか。

 そんな地図記号を見ていて、気になるものを見つけた。「荒地(あれち)」である。

 田や畑、果樹園などある中、荒地。字面から漂ってくるのは、他と決別したような独自の雰囲気。そんな荒地を実際に見てまわってきました。 

小野法師丸



●なんでかわからないけど気になる「荒地」

  建物や土地についてわかりやすくアイコン化した地図記号。かなりいろいろな種類があって、学校のテスト前に覚えた記憶がある。(地図記号については、国土地理院こちらのページが詳しいです)

 様々な記号がある中、気になったのは「荒地」。言葉通りに読めば、「荒れている土地」ということになるだろうか。


「荒地」の地図記号

 先にリンク先として紹介したページによると、荒地とは、利用されず荒れたままになっているところであるらしい(詳細はこちら)。そうか、やはり実態も荒れているのか。

 荒地。孤高で世間と隔絶された響き。なんだか行ってみたくなる。


利用したのは「地図センター電子国土サイト」(こちら)

 荒地に行ってみたい。そういう気持ちをもったとき、必要になるのは「荒地がどこにあるのか」という情報だ。最初にも述べた通り、それは国土地理院が発行する地形図を見ればわかるのだが、現在ではネットで調べることもできる。「地図センター電子国土サイト」だ。

 スクロールさせたり縮尺を自在に変えたりしながら見ることができる、とても便利な地図サイト。ここで荒地の記号を探して実際に行ってみよう。

 

●期待に違わない様を見せつける荒地

 そういうわけで、地図をスクロールさせながら荒地探し。なんとなく動かしていて見つけたのは、埼玉県八潮市にある荒地だ。(こちら)


荒地の記号を発見するとうれしい

 都市部や住宅街にはなかなか見つけられない中、川べりにあった荒地。見つけるとうれしい気持ちになる。Googleマップで見ると、こんな感じのところだ。



大きな地図で見る
 

 よし、これで目的地はわかった。車で実際に行ってみよう。…おお、なかなかの荒れっぷりではないか。


デフォルトでこのテイスト
立ち枯れた雑草が荒れ度を高める

 よくある川べりの風景ではあるが、そこが荒地であるということを意識すると「荒地だな」という実感が湧いてくる。その実感に意味があるかどうかはわからないが、荒地にたたずむ味わいを伝えることができているだろうか。

 なんとなく撮った上の2枚。絵になる感じはあると思う。


模範的な荒地ぶり

 クマのぬいぐるみが打ち捨ててあるのも荒地度を高める。うつぶせになっているポージングも含めて完璧だ。

 そう、荒地が気になったというのは、この寂寞感を味わいたかったということなのだと思う。観光地やテーマパークに飽きた大人の心に荒地は応えてくれるのだ。


もさもさとした荒地を探索
なんだか叙情的

 地図では高速道路の高架を超えた向こう側まで荒地は続いているので、そちらに渡ってみよう。なんと、子供が網を持って虫採りをしているではないか。

 うっかりしたことに、趣のある風景。夏休みの絵日記か。

 こんなはずではない。「おい、ここは荒地だぞ!」と子供に声をかけたくなる。


もっさー
もさもさー

 それでもさらに歩を進めると、荒地は本来の荒れっぷりをこれでもかと見せつけてくる。足にからむ雑草を気にしながら歩いていると、いつしか背丈より高い雑草に囲まれていた。荒地パワー全開だ。


荒地にはドラム缶がよく似合う

 ドラム缶が捨ててあるのもザ・荒地。

 あてどもないのが荒地探索なので、終わりを見つけるのが難しいが、基本を押さえた荒地ぶりを満喫することができた。また別の荒地を巡ってみよう。


 

 
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