安治川水門
大阪環状線を弁天町駅で降り、ここから歩いて10分くらいの安治川水門を目指します。
駅前にはオレンジ色のディーゼル機関車が2輌展示されていました。そうか、この駅には関西版の鉄道博物館と言える「交通科学博物館」が併設されているのでした。こちらもぜひ行ってみたいですが、今日は水門が優先のため我慢。でもいつか「いま、あえて交通科学博物館」という取材をしてみたいと思っています。
駅前を通る国道43号線沿いに歩き、さっきの木津川水門と同じように安治川に架かる橋の上の歩道に立つと、すぐ目の前に赤いアーチの水門が建っていました。
最初に見た木津川水門と形や大きさがよく似ていると思いますが、それもそのはず、このあとに行く尻無川水門も含めて、高さや幅といったスペックはほぼ同一。細かく見れば管理棟の位置や形状、アーチ型水門の脇に設置された副水門の位置などに若干の違いは見られますが、完成時期もほぼ同じこの3水門は、例えるなら兄弟というより三つ子の関係にあるようです。
橋を降りて水門のすぐ脇に行ってみると、周囲は倉庫や資材置場が並ぶ典型的な港湾部といった様相。
路肩に捨てられたタイヤのないクルマが、軽いノリで立ち寄る者を一喝するような迫力を醸し出しています。
しかし安治川水門は、逆光に照らされて非常にソリッドなシルエットを浮かび上がらせていました。かっこいい!
尻無川水門
安治川水門を後にし、3つの水門を結んでいる国道43号線の歩道を南下。およそ30分ほど歩くと、最後の目的地である尻無川水門のある尻無川にぶつかります。
ここも前の2つと同様、国道の橋に登ると水門が正面に見えます。尻無川水門は濃いブルーに塗られて、なんだかクールな印象。
せっかくなので写真を並べて、3水門の同じところ、違うところを見てみることにします。
とまあ、見事に三者三様の結果となりました。でも、基本的なパーツはまったく一緒。外見はそっくりだけど、実はそれぞれの個性を持っている三つ子というわけです。
ここでも、橋を降りて水門の近くまで歩いて行ってみることにしました。
橋の上から見ていたときに、水門のすぐ下流を小さな船が行ったり来たりしていたのが気になりました。どうやら岸に着くたびに人が乗り降りしているようで、ひょっとして渡し船か、もしそうなら水上から水門が眺められるかもしれない、と思って歩いて行くと、案の定大阪市が運営する渡し船がありました。しかも無料!
地元民じゃなくても乗れるのか、徒歩の利用は僕だけだったため自転車じゃなくても乗れるのか、などいろいろ不安でしたが、何も言われることなく無事に乗船。渡る時に川上となる、向かって左側のスペースを確保し、カメラを構えて出航を待ちました。
出航すると渡し船は大きくS字を描きながら対岸を目指します。ちょうど川の真ん中に差しかかって、船が流れに対して直角になったときに上流の水門に向かってシャッターを切りました。
というわけで、電車に乗ったり歩き回ったり最後は船にも乗って、アーチ型水門を1日めぐってみました。
天気もよく、さまざまな角度から水門を眺め、このまま最後のまとめに入ってもいいのですが、どこか物足りない部分がありました。
それは、やはり水門が割と頻繁に試験運転をしている、ということを知ってしまったからにほかなりません。
どうしても動いているところを見てみたい。
という気持ちが抑えられず、試験運転の日にもう一度大阪に行くことにしてしまいました。できることなら動画も撮って、水門が動く様子もお伝えしたいと思います。
というわけで、もう1ページお付き合いください。