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ちしきの金曜日
 
長崎原爆の痕跡に触れて


原爆に耐えたクスノキ

次に見るのは、爆心地から南東に約800mほどの距離にある巨大なクスノキ。このクスノキは原爆の熱線や爆風、放射線をもろに受け、被爆直後はメチャメチャな状態の枯れ木同然だったそうなのだが、その後たくましい生命力により復活し、現在は青々とした葉を繁らせている。


青々と生い茂る被爆クスノキ

鉄をも溶かすほどの熱線で焼かれ、爆風で枝葉を吹き飛ばされ、さらに放射線が細胞を貫いても、なお生き続けている。植物の生命力って一体どうなってるんだろう?と思った。


よく見ると木の一部がサイボーグみたいになってる。

が、よく見ると所々、パイプがあったりガラスがはめてあったりして、サイボーグみたいになっている。

最初に見た時(7、8年前)は、この部分は真っ黒になっていたので、私は原爆で焼けた跡だと思っていた。が、そうではなく、(たしか)雨水が中に溜まって木が腐ったりしないようにするための処置なんだとか。

それがより徹底されて、サイボーグチックになってるようだ。


半分だけ吹き飛んだ鳥居

次に見るの原爆の爆風で半分だけ吹き飛ばされ、奇跡的なバランスで片足だけで立っている鳥居。通称、片足鳥居(または一本足鳥居)。場所はさきほどのクスノキのすぐ近く、爆心地から南東約800mの地点。


すぐ近くには、倒れた方の柱も置いてある。

片足鳥居は、山王神社という神社の鳥居で、当時は一の鳥居から四の鳥居まで、4つの鳥居があったそうだが、原爆で三と四の鳥居および神社の建物が吹き飛んだ。

残ったのは一の鳥居と、二の鳥居の半分(=片足鳥居)。これらは爆風に対して平行に立っていた為、倒れなかったという。が、その後、昭和37年、一の鳥居にトラックがぶつかって倒壊。誰にも気付かれないまま撤去されたのだそうな。

いろいろどうなってるんだ!?と思った。

山王神社にあった掲示板には、
「実にもったいない話。」
と、さらりと書かれていた。


 

 
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