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ひらめきの月曜日
 
でかい壺を買った 〜石鍋でナンを焼く〜

インド料理屋などでカレーと一緒に出てくるナンを、常々手作りしてみたいと思っていた。

独特のしゃもじが優しくなったみたいな形といい、店によってははんぱない大きさといい、どこかうす甘い味わいといい炭水化物界においても魅力ある食べ物のひとつだと思う。

お店で見ているとなにやら大きな壺のようなものの内側にぺたーっと貼り付けて焼いている。タンドゥールという調理釜らしい。

いろいろ調べてみたが、調べれば調べるほどタンドゥールは「壺」なのだ。ということは、私も壺を買えば本格的なナンが焼けるのではないか。

そして私は壺を買い、しかし結局 壺ではなくビビンパ用の石釜でナンを焼くことになる。今回はその一部始終を聞いて欲しいのです。

(text by 古賀及子



インド料理屋さんで見せてもらった本物のタンドール。調理器具として外側はステンレスになっているが、中はほぼ壺

生地をびよんびよんと伸ばして…

張りつけて焼く。壺でもできそうですよね?!

壺を買い、そしてナンを焼く

壺、というものにどこか微妙な気持ちを持つ人は多いと思う。そもそもは“入れ物”だと思うのだが、付随するものが多すぎて単なる入れ物としてだけでは語れない。

だって、壺、である。

おじいさんが大切にしていたり、博物館に飾ってあったり、下手すると国宝だったりというありがたい意味合いのほか、印鑑と並ぶ2大「買っちゃいけない」ものでもある。何にせよ、背景にあるのは何か入れ物とは思えない物語の数々だ。

壺でナンを焼きたい。それは、私が壺を買うということでもある。「いよいよ私も壺か……」という感慨と軽い迷い。人生において思いのほか早かった壺へのアプローチ。老後とかにとっておかなくて大丈夫か。

すでに壺でナンを焼いている人がいた!

やや尻込む気持ちも沸くなか、焼き方などいろいろ調べているうちになんと既に壺でナンを焼き、しかも成功させている方のブログを見つけた(ブログ「時々、通信。」さんのこちらのエントリー)。

読めばすごく楽しそうな雰囲気の中、これまた美味しそうなチキン(タンドールで焼く、いわゆるタンドリーチキンですな)の写真が。

美味しそう、楽しそう、すごい! 躊躇せず、これはやってみねばとこれで決心した。しかも、これまで「なんとなく焼けるかなあ」程度で具体的な方法は考えていなかったのが、ブログの管理人であるkawatyaki_hさんに無理やり連絡をとったところ、それは丁寧にやり方を教えてくださったのである。ありがとうございます!

あわせてインド料理のお店にお願いしてプロのナン焼き現場も見学させてもらった。その様子を見てやっぱりタンドールは壺であること、そしてナンは美味しいということを再確認。

うおおおおお。私は壺も買い、そしてナンを焼く!

わくわくが止まらないまま、勢いをつけインターネットで壺を注文した。

壺さえあれば、こんなナンを自分でも焼けるのだ
やるどー!

そして、壺がやってきた

   壺がでかいぞ!>
 


 
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