まだまだ脱水なんて機能は夢のまた夢だった
上の“米とぎ機”みたいなのが、国産1号機の洗濯機である。これが日本の洗濯機の歴史の初めだ。君の家の洗濯機の元をたどれば、この洗濯機にたどりつくわけだ。
仕組みは、ドラム(と呼んでいいのか?)の中にあるかき回すものがぐるぐると回転し、グラスの中のマドラーのように水をかき回すという代物。
一方、上についたものは、察しがつくかもしれないが、白いローラーが回って脱水を手伝ってくれる。今は自動で脱水を行ってくれるが、当時はもちろんそんな機能もない。正直、今から見れば不便極まりない洗濯機である。
それでもこの洗濯機、当時の庶民にはあこがれの品だったらしく、一部の上流階級を除き、一般家庭に普及するのは難しかったらしい。
僕は思う。今の洗濯機は脱水があたりまえで、価格も物価を考慮すればこの当時の洗濯機より格段に安くなった。この当時の人々から見て、今の暮らしは夢のまた夢の世界なんじゃないかと。
人生にいやなことが起きたら、この洗濯機を思い出して、このころから比べたらずいぶん便利な暮らしをしていて幸福だと思うことにします。 |