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ロマンの木曜日
 
太田遺産を認定したい

呑龍さまから市街地へ

お寺の参道をとぼとぼと歩きながら、市街地のほうへと向かうことにした。
遺産は街の中にもあるかもしれない。
しばらく行くと、「上州名物焼きまんじゅう」という看板のある店をみつけた。
地元の人に古くから親しまれている焼きまんじゅうも、遺産と呼べるのではないだろうか。


暑すぎて、どうしても食べる気になれなかったのが残念

このお店がとてもかわいいと感じたんだけどなぜだろう

しっとりとしたいい街

先ほどのタクシー運転手さんによると今日の気温は35度だという。そんな中をたくさん汗をかきながら歩いたのだが、それが気にならないくらいに太田の町並みはきれいだった。
古くからある街らしく、建物にも趣があって、散歩するには絶好の場所だ。


小学校がかっこいい
空き缶もかっこいい

そしてスバル

冒頭にも書いたが、太田市には富士重工の自動車工場がある。
市民の60%が富士重工関係の仕事に従事している世帯とのことで、市内を走る自動車にもスバルが多い。
歩いていると、遠くに「SUBARU」と書かれたタンクが見えたので、それを目標に歩いた。


スバルタンクというとバスケ漫画みたいだ

スバルはスバル町

タンクが見えてから10分ほど歩いただろうか、富士重工の工場に行き当たった。
ここの住所は群馬県太田市スバル町。もちろん自動車のスバルからとったのだろう。
太田は富士重工なしでは語れない街なのである。
現在も稼動している工場を遺産と呼ぶのは乱暴だが、あと数十年か数百年の後には、間違いなく太田遺産となるだろう。


スバル町1丁目

遺産よりも今だ

はじめは太田にある歴史的な遺産をめぐるのが目的だった。
けれども、実際に街を歩いてみると、歴史的なものよりも、今の太田で生きているものの方が興味深いと感じた。
呑龍さまにしても、ただ単に名刹だというのではなくて、今でも街の人たちが親しみを持っていることに意味があるのだ。
駅前に広がる風俗街も、ドンキホーテも、親切に案内してくれた運転手さんも、焼きそば屋のおばちゃんも、どれもこれも太田の素敵さで、太田の魅力なんだなと思った。
なので、これが太田遺産だ、などという認定はしないことにしよう。

駅前にあったビルもかっこよかった

 
 
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