不思議な駅前通り
太田に到着後、なにか観光資料のようなものを手に入れようとまず市役所に向かった。
駅の南口からまっすぐに伸びる通りをすすんだのだが、その風景がとても不思議なのだ。
駅前通りは、車道は二車線と広くはないのだが、歩道がとても広くタイル敷きで整備されていて、清潔感がある。
しかし、そこに立ち並ぶ店が軒並みシャッターを閉めている。
それもそのはずで、通りに並ぶ店のほとんどがいわゆる風俗系の飲み屋さんなのだ。昼間は営業してい。
平日の日中なのでそういうところを歩く人もまばらで、派手な看板と閉まったシャッター、広くてきれいな道に真っ青な空というまったく不調和なものが数百メートルも続いていて、まるで映画のオープンセットのようだ。
いままでにこういう景色は見たことがなく、思わず息をのんだ。
いや、悪く言っているのではない。
いい景色だ。
美しいのだ。
現実離れした夢の中にいるようなこの感じは、ほかでは絶対に味わえないだろうと思った。
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