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ひらめきの月曜日
 
ジャンケンの勝率を上げる
 

仕事の休憩時間に誰がジュースを買いに行くかという話になって、ジャンケンで決めることがある。勝つぞと思って参戦するが、結局みんなの分を買いに行っている自分がよくいる。どうも私はジャンケンが弱い気がするのだ。

そう言えば子供のころからそんな気がする。小学校ではその結果として、2年間も人気のなかった栽培委員をすることになった。

ああ、もっとジャンケンが強かったら。自分なりのアプローチでジャンケンの勝率を上げるべくいろいろ試してみました。

小野法師丸


2分の1の壁の突破を目指して

確率的には半分は勝てることになっているはずのジャンケン。きちんと記録したわけではないが、たぶん私はこれまでの人生で負け越していると思う。

ジャンケンの勝率を上げることは多くの人にとって関心のあるテーマであるようで、「ジャンケン 必勝法」などと検索をかけると、たくさんのページがヒットする。

いろいろな研究がなされているようだが、どのページも見ないことにした。ここは自分なりの方法で迫ってみたい。

内に秘められた闘志が感じ取れる一枚

 

まずは兜をかぶってみた。戦国時代の勝負に賭ける武将の魂をイメージして、血気あふれる気持ちでジャンケンに臨むことで、勝率があがることが期待できるのではないだろうか。

 ちょうど帰省していたので、実家の母に対戦相手になってもらった。企画について話をすると、やる気満々の母。おお、相手にとって不足はない。

 

ジャンケンほーい! ジャンケンほーい! なぜか爆笑

 

ジャンケンほーい! ジャンケンほーい! ジャンケン…

今回の試みでは、一つの工夫につき、あいこをカウントせず100回勝負をすることにして検証する。そういうわけで「ジャンケンほーい!」を連呼しながら何度も勝負。そうしているうちに、なぜだか母は爆笑だ。

実は母だけでなく、私も爆笑。特に決着をつける目的もないのに、大人同士が何度も何度もジャンケンしてるということの意味がわからなくて、こういうことになったのだと思う。

わかりづらいかもしれないが、大人同士でジャンケンを何回も意味なくやってみると、楽しい気持ちになると思う。

 

「なんか喉かわくね」 エアコンの風量をあげる

 

爆笑とは言っても、仕切り直して勝負を始めると二人とも真剣になる。声も必要以上に大きいし、手にも力が入る。休憩で水分を補給したり、エアコンを入れたりして勝負を続ける。

そして、100回戦終わった結果がこれだ。

 

勝負の記録から結果を確かめると ぎりぎりで負け越した

 

自分ではそこそこ勝ったつもりでいたのだが、カウントしてみるとわずかに負け越し。兜の効果はなかったか…。

 よくよく考えてみたら、戦の場でジャンケンが強くても仕方がない。「ジャンケンの強い武将」と言われても、嘘っぽいだけだ。むしろジャンケン以外が弱そうで、トータルでダメな武将のような感じもする。

 勝負が終わってから思うと、そういう読み間違いがあったかもしれない。悔しいけれど、ジャンケンに兜をかぶって臨んでも意味はないのだ。

 

 続いての工夫は必勝ハチマキ。生まれて始めてこんな巻いたぞ。

 

なんか嘘っぽい

 

 必勝を期し、気合いを込めて巻くハチマキ。ぎゅっと強く結び、さあいざ勝負だ!

 実験の精度を高める意味でも、形だけでなく本気でそうして気合いを入れたのだが、自分が巻いた写真を見ると、どうにも胡散臭い。その目で見据えているものはなんなのか。

 とにかく勝負だ。ジャンケンほーい

 

あれ…? ガーン

 

 100回の勝負を終え、勝った回数を数えて驚いた。三分の一ほどしか勝っていないではないか。確率的にもこれはかなりおかしな結果ではないだろうか。

 母いわく、「必勝なんて書いてあるから、こっちこそ絶対負けないって思ったわよ」とのこと。なるほど、必勝ハチマキが相手の心に火をつけたというわけか。

 

驚異の九連敗

 

 心に燃える火のか細さには自信がある。必勝ハチマキで一応自分の心にも火をつけたつもりではあったのだが、もともと細い火が仮に倍になったとしても大したことはないのだ。

 いや、どうせハチマキなんか単なる飾りだ。そんなもので勝率が上がるわけなんてないんだ。そんな卑屈なことも思ったりして、負けて悔しい気持ちのバランスをとるのが精一杯だ。

 

 続いてはこれまでと逆のスタンスで臨みたい。これだ。

 

自分でもムカついてますのでご安心を

 

 実に腹立たしい上の写真だが、ファニーな扮装で相手の勝負心の虚を突き、戦意を失わせたところで勝っていくという作戦だ。せこさを前面に押し出した格好である。

 さあいくぞ〜、じゃんけんほ〜い!

 

負けないぞ〜 勝負の途中で父が仕事から帰宅

 

 100回勝負は実のところ、なかなかきつい。腕が痛くなってくるのに加え、今回は鼻がもぞもぞして集中できない。途中で父が仕事から帰ってきたのを迎え、再び勝負再開。

 さあ、結果はというと…。

 

またも負け越し

 

 負け越しだ…。なぜだ、なぜなんだ!かつらを取って、鼻をもぐ。

 そんな私を見て母が言うには、「こんなバカな格好した人に絶対負けたくないって思ったね」とのこと。陽気なピエロを装ったのだが、これまた心に炎を灯してしまったようだ。

 

 ここまで合計300回、100回ずつ勝負して全て負け越し。続いてはまた別の角度で攻めてみたい。

 

何見てんだよ

 

 コワモテだ。恐ろしい風貌で相手を威嚇して、戦意の弱まったところで勝利をつかむという算段だ。

 そういうわけで準備したサングラスとつけもみあげ。ただ、このもみあげはあまりできがよくないようで、邪馬台国の人のような髪型にも見える気がする。

 

自分撮りしたらハードゲイみたいになりました コワモテVS母

 

 さすがにそろそろ勝ち越したい。

 もう4番手だ、コワモテでは勝ちをおさえておきたい。負けたら大門軍団の一員としてはずかしい。そんな風に自分を奮い立たせる。ジャンケンほーい!のかけ声にも力が入る。

 

子供の頃やっていた、こういうのも繰り出してみたが やっぱり勝てません

 

 でも負けました。

 念のために言っておくと、格好こそふざけていると思われるかもしれないが、決していいかげんな気持ちでジャンケンをしているわけではない。全ての勝負において勝とうという気概があることは確かなのだ。

 なのにこの結果。なぜだ。

 そう考えて思いついた。これまで勝とうとしているっぽい工夫をしてきたものの、それは無駄なのではないかと。むしろ逆効果ですらあったかもしれないのではないかと。

 

 最後の100回の勝負は、見た目的な工夫は何もせず、あくまでメンタルを前向きに高めるというスタンスで臨んでみる。

 よく考えてみよう。仮に必勝ハチマキやコワモテでジャンケンの勝率が上がったとしても、仕事の休憩時間に同僚とジュースのことでジャンケンするとき、そんなことを実践することはできるだろうか。

 そう、原点にもどるのだ。素顔でストレートに勝負したい。

 

いざ、最後の勝負! はい、負け越しー

 

 ダメだ、やっぱり負け越しだ。うう…。

 左上の写真で母があんまりやる気なさそうに写っているのは、タイミング的な偶然ではない。延々とジャンケンをさせられていることもあって、かなり適当にグーチョキパーを繰り出していた。写真は事実と符合しているのだ。

 なのにこの結果。試みは失敗に終わったと言わざるを得ないのか。

 

 


 

 500回戦を行い、結果は213勝287敗だ。4割2分ほどの勝率というのはかなり低いのではないだろうか。ここは結果を逆手にとって今後につなげたい。

 つまり、もしジュースを買いに行きたくないがために、仕事の休憩時間のたびに必勝ハチマキを巻いたり兜をかぶったりしたらどうだろう。かわいそうな人だとに思われてジュースを買ってきてくれるかもしれないではないか。

 それはそれで結果においては勝ったと言えるのかもしれない。ただ、もっと大きな視点で、つまり人間として負けていることになると思う。

 そういえば子供の頃、自分があまりに弱いことに気がつき、「今日のジャンケンは負けた人が勝ちってことにしよう」と、革命的なことを言い出したことがある。そして実際に負けた私は、特別ルールで勝者になったのだ。

 今回の試みの不毛さに、思い出したのはそんなこと。ジャンケンが弱いことが確定した今、今後の人生ではジャンケンをする局面を巧みに避けていきたいと思う。

 

 
 
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