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フェティッシュの火曜日
 
走ると煙が出る靴を作る


 

 マンガで走るシーンを描くとき、足から煙を出すことで速く走っているように表現していることがあります。それは土煙なのか空気の流れなのか実体はよくわかりませんが、読んでいるほうとしてもなるほど、速く走っているように見えるから不思議です。

ひょっとして足から煙が出るようにして走ったら、現実でも速く走っているように見えるかもしれません。

荒原べんぞう



道具を揃えた

速く走っているように見せるため、走ると自動的に煙が出る靴を作ることにしました。どうやって作ろうかと考えて、まず思い浮かんだのがキューキュー鳴るサンダルの記事(こちら)。押すとキューキュー鳴る笛を靴に仕込ませて、音の変わりに煙が出るようにする作戦です。

 
押すとピヨピヨ鳴る

普段全く縁のなかった手芸屋さんに赴き、笛を購入してきました。試しにふくらんでいる部分を押してみると、なんともひょうきんな音が出て楽しくなってきます。

こんなに楽しい音が出なくなるのは惜しいと思いつつも、この笛の音が鳴る部分を切って中に粉を入れます。粉は環境・人体になるべく優しいものがいいなと考えてベビーパウダーににしました。粉を詰め終わったらこれを足で勢い良く踏んで、うまく粉が舞うかどうか試します。

 
何か弱い

さあどうだと意気込んで踏んでみたものの、全く粉は舞いませんでした。舞うというよりも破裂したとか、はみ出た、というしょぼい感覚に、肩透かしをくらいます。

もしかして、粉の量、風圧、全てにおいてスケールが小さすぎたのかもしれません。そこで、キューキュー鳴る笛よりももっと強力なアイテムを使うことにします。


エアダスターならどうだ
切って穴を大きくする

カメラのレンズについたほこりなどを払うときに使用するエアダスターです。もともと勢い良く風を吹き出させるための道具ですから、この中に粉を入れればうまい具合に煙のようになるに違いありません。

さっそくこのエアダスターを分解し、狭くなっている吹き出し口を広くなるよう加工ます。中に粉を入れたら、風を吹き出させて粉が出る様子を見てみます。


これならいける
準備完了して半笑い

見事に煙のように粉が舞ってくれました。エアダスターは風の勢いだけでなく風量も申し分ないのでいいみたいです。高まる期待で焦る気持ちを抑えつつ、加工したエアダスターを靴の底に取り付けます。あとはこの靴で走るだけです。

 

いよいよ走る

靴にエアダスターを取り付けて準備が完了したところで、いよいよ走ってみることにします。うまい具合に速く走っているように見えるといいのですが。



どうでしょう、なかなかいい出来ではないでしょうか。多少の嘘っぽさは拭えませんが、マンガのような走り方を現実に出来ていると思います。いやしかし、これが“速く”走っているように見えるのかと言われれば、そう見えるような見えないような、釈然としないものがあります。

一番納得できないのは地面に鳥の足跡のようなものがつくこと。こんなのマンガには描写されていませんでしたし、地面は汚れますし、なんとかならないでしょうか。

 
鳥の足跡のような何か

床に粉を吹き付けずにもっと粉を舞い上がらせる方法はないものか。小走りに走ってみたり、工作したエアダスターをつま先や土踏まずにつけてみたり、いろいろと試行錯誤を重ねてみます。



小走りだと粉の舞い上がり方は申し分ないのですが速く走っているようには見えません。ロボットがよちよち歩いているみたいにも見えます。これじゃない。

 
今日いちの舞い上がり方

エアダスターを土踏まずにつけるのは粉がうまく上方向に舞って、写真写りは非常に良かったです。しかし、動画となるとうまくいかない。土踏まずにするかかかとにするかは目的に応じて使い分けろということでしょうか。

蒸し暑さとベビーパウダー

結局のところ、煙が出る靴を作ることで速く走っているように見えたかどうかは、これを読んでいるみなさんの判断にお任せしたいと思います。僕はそんなこと途中からどうでもよくなって、梅雨の蒸し暑さの中でベビーパウダーにまみれながら大汗をかくという矛盾に、自分がおかしくて仕方がなかったのでした。

速く走っているように見せかけるのではなく、本当に煙が出るくらい速く走ることに主点をおいたほうが、今後の人生は明るくなるなと悟りました。今からでもトレーニングすれば北京オリンピックに間に合うでしょうか。

鳥の足跡は掃除がたいへん

 
 
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