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土曜ワイド工場
 
街の『1°』をさがせ

夜の街を徘徊

バランスボールで遊んでたらすっかり日が暮れてしまった。夜中にスラント片手に街を徘徊。職質とかされないだろうか。


夜の自動販売機が好き。なんかほっとするので


またしつこく自動販売機にせまってみたのだが、こんな斜面に立っていても、やはり水平だった。ていうか、こんな大きな機械が1°でも傾いていたらそれは問題である。


こんな錆び錆びの鉄柵も

水平。マジかよ

買い物につかう車のカゴを載せる部分の傾きとは
7°か。けっこうある 
このゴミ箱の天井はどうだ!?
わずかに傾斜があるように感じたのだが……

2°だ!


おしい! しかしながら、かなり1°に近づいたことは事実。いまの感じだ、いまの感じを忘れないようにしなければ!


感覚を憶えるため何度も置いてみる(無意味)


もはや手当たり次第なのか

そうしてぼくは、夜の街を歩きつづけたんだ……。


電話ボックスの電話、水平
ポスト、水平
深夜の精米機、水平 

精米機のそばに謎のイルミネーション、
プライスレス

 

おなかもすいたのでコンビニへ

みつからない1°に感じる焦り。それと同時にわき起こる、「ちょっとちがうのではないか?」という思い。
電話やポストや精米機が少し傾いていたとしても、それは場所や設置の問題であり、1°という数字自体に意味はない。ぼくがさがしたかったのはそういう傾きではなく、意味をもった1°ではないのか? 

なんだか疲れてしまったぼくは、ふらふらとコンビニへ立ち寄った。


 

お弁当を買おうとおもったのだが、夜遅かったため、品数は多くなかった。
空っぽのおにぎりの棚。ふと、スラントを置いてみると、


 
 

ん!?


1°だ!


店内でびっくりした顔して自分撮りはさすがにはばかられたので、外にでて一拍おいてから驚いてみた。

いきなりみつかった1°の傾き。興奮をかくせない。もしかしてぼくはいま、コンビニの秘密に触れようとしているのではないか。ほかの店舗にも寄ってみる。


時間的にスカスカのお弁当の棚
や、やはり!

ためしに水平にセットして置くと気泡は中央から大きくずれる


1°です、キャップ!

ぼくの生活のすぐ近くにあった1°の傾き。計測の果てにみえたものは、コンビニの計算しつくされたディスプレイ戦略の一端だった。ただ、2番目に近いコンビニまで車で30分というぼくの生活圏において、測定できたサンプルはあまりに少ない。この傾きが規格によるものなのかどうか、各会社に問い合わせをしようかとも考えたのだが、結局それはやめにした。なぜなら、コンビニの秘密を知ってしまった人物としてマークされる危険があるし、仮に担当者から、「そんな傾きはありませんよ」と返答された場合、読者の方々に、「あ、岩手のコンビニ傾いてる」と、思われてしまうからだ。


 
 
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