冷えていないビールに。 |
では実際に水滴の効果を確かめてみよう。ここに冷えていないビールを用意する。そのまま撮影するとやっぱりちょっと味気ない。そこでスプレーで水滴を加える。しゅっと。すると・・
なんと冷え冷えに見えるじゃないか!
もちろん実際にはぬるいままなわけだが、水滴をつけただけで写真から冷気を感じるようになった。これぞシズル感。興奮して缶を開けてしまいそうになったが、手に取ると実はぬるいままなので目が覚める。 |
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水滴を吹きかけると。 |
なんと!たちまち冷え冷えに。 |
家の中でだって興奮できるんだ
缶ビールは水滴をつけただけでうまさ5割増しくらいに見えるようになった。これはビールは冷えていた方がうまい、という経験からなる記憶に訴えかけた勝利といえる。では特に冷えていなくていいものにあえて水滴でシズル感を与えたらどうなるのだろうか。やっぱり冷えてみえるのか、うまそうにみえるのか。
たとえば野菜はどうか。
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トマトに水滴を拭きかけると。 |
おー、なんかうまそう。 |
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野菜に水滴を加えると一気に鮮度が増した(ように見える)。もちろん実際には同じ野菜なので味に変わりはないわけだけれど、写真だけで選ぶのならば誰もが新鮮そうに見えるという理由で水滴をつけた方を選ぶだろう。シズル感が人に与える影響は大きいのだ。 |
ふつうの大根にも |
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しゅっしゅっと水滴を。 |
こちらもやはり新鮮に見える |
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少し古くなったキュウリに水滴をかけると |
あら不思議、鮮度が復活 |
これで終わりではない、まだ外は雨だ
ここまであからさまに効果が生まれることがわかると、このシズル感で人をだませるんじゃないかとさえ思えてくる。写真は真を写すと書くが果たして本当だろうか。下の写真を見てもらいたい。カップに入っているのは冷え冷えのアイスコーヒーに見えないか。しかし本当は水滴を付加したホットコーヒーだ。触ると熱い。同じように熱い味噌汁にも水滴を拭きかけるとやっぱり冷たく見える。シズルすげえ。しかしコーヒーカップも汁椀も、熱いものに水滴を吹いてもすぐに消えてしまうので撮影は手早く済ます必要がある。
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冷え冷えのアイスコーヒーに見えるが |
中身は実はホット |
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なんだ、中で何が冷えているんだ |
答えは熱々の味噌汁。 |
そろそろやり終えた感じだが、まだ雨はやまない
やはりシズル感の効果は絶大だ。水滴をつけるだけで熱い物まで冷たく見えてしまう。
では食べられないものにはどうか。水滴を拭きかけることで何か印象は変わるのだろうか。
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なんだかわからないけれど |
外から帰ってきたように見える |
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過酷な現場から帰ったみたいだ |
君はなんだ、寒いのか |
カッパ、長靴、防水デジカメ(取材に必要なもの)
一目瞭然だが、まあ冷えて見える。だが当然ながらうまそうではない。石とかカバとかはいまさっき沢から拾ってきたみたいな感じになり、野性味が増した。デジカメは冷たい雨の降っていた現場から帰ってきた感じか。マトリョーシカは冬のロシアからいま着いたようにも見える。
次は明らかに冷えている必要のない感じのものたちに水滴を吹きかけてみよう。
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しょうゆ、冷えてます! |
こしょうも食べ頃! |
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コーヒー豆びしょびしょ! |
たまご産み立て! |
明日も雨って言ってる
もうわかんなくなってきた。なんとなくどれも冷蔵庫から出したてなんだな、とは思える。洗剤とか消臭剤とかはどうだ。
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冷えている必要は特にないな |
あ!でもこれはうまそうだぞ |
雨だけど負けずに外に出るぞ
わけがわからなくなってきたら外へ出ろ、の鉄則に従って霧吹きを持って外へ出てみた。梅雨のど真ん中のこの時期、外はもちろん雨。つまり見方によっては町中がシズル感で溢れているわけだ。果たしてうまそうなのか、それともただ寒そうなだけなのか。
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これはシズル感というよりも |
しずく感だ |
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単に |
梅雨時の風景に過ぎない。 |