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ひらめきの月曜日
 
濃いジュースをタレとしてあがめる
きみは今日からタレだ

どろっと濃厚なテクスチャにぎゅっと詰まった味。ぐびぐび飲み干すのを躊躇してしまうような、とにかく濃いジュースというのがある。

高級系のスーパーなどにあって輸入や地方の物産商品に多い気がするが、もらったり買ったりして飲むたびにその濃さにひるんでしまう。

あれ、もはやジュースじゃないと思うのだ。

ジュースじゃないとしたら何なんだろう。うーん、そうだ、タレ、タレなんじゃなかろうか?! あれほどまでの濃厚な味わい、飲むというより何かにかけて食べるのが正解なような気がするのだ。

(text by 古賀及子



これはジュースではない、タレだ!

ジュースをタレと思い込み、タレとして使ってみる。今回のテーマはこれだ。

もしかしたら本当に美味しくて、つまり濃いジュースというものが本当にジュースではなくタレであるということが証明されてしまうかもしれない。

どろっとしたジュースは実はジュースではなくタレだった! そんなスクープ記事になるかどうか。それでは見ていくことにしましょう。

まず最初にタレとしてお招きしたのはこちら。ザ・ガーデン自由が丘という、1000円以上するトマトを売ってたりする高級系のスーパーで買ってきた。スイス産のジュースだ。


ビオッタ エキゾチック
500ml 1365円

有機のマンゴーやグレープ、洋ナシをミックスしたスイス産のジュース

オーガニックとして世界的に有名らしい。500mlあたりに730gのフルーツ使用している。濃いわけだ。

この沈殿も濃さの目印

文句なしでタレといえる濃さ

飲んでみたが、濃い。味のベースになっているマンゴーがぐいぐい押してくる。おみやげでよくもらうドライフルーツのマンゴーの味そのままだ。あれをなめているような味わいがずっと続く。

とにかく、ごくりと飲み込めないような重さ。きみはジュースを名乗ってはいるけれど、本当はタレなんじゃないのかい?  


ねえ、タレなんでしょう? ねえってば

暑い日にはアイスですよね

それにしても、私の住む東京はここのところじめじめ ぬるいような中途半端な気候が続いている。

こういうときはやっぱりアイスだろう。カンカンの真夏まではいかない今頃の季節は氷菓よりもアイスクリームが合う。

せっかくなのでバニラのアイスにもう一味ほしい。


お、丁度いいタレがあるじゃないか つーっと回しかけて

おお、立ち上がるマンゴーの香り。店が店なら1200円はするようなビジュアルになった。食べてみると危なげない味わい。美味しい。あ、そうだ。これ、ミニストップのアップルマンゴーパフェそのまんまじゃないか。

やっぱりだ。やっぱりきみはジュースじゃなくてタレだったんだね。でも、ちょっと味にパンチが足りない気もする。もうちょっとかけよう。まだ足りない。もうちょっと、もうちょっと。

と、繰り返しかけていたらこんな状態になってしまった。


タレのかけすぎでアイスが溶けて液体に

ジュースをタレとしてアイスに使ってみたら、アイスまでジュースになってしまったのだ。

なんと強靭なジュースの力。やはりジュースはジュースであってタレではないというのか…。

濃いジュースはタレなのか
 ・味わいがやや弱い
 ・弱いのでたくさんかけると、アイスがとける
  →やっぱり、タレじゃなくてジュースなのかもしれない

やはりおいそれとはタレの仲間には入れてもらえないか……。とはいえ、やっぱり諦めきれない。だってあんなに濃いのだ。

そんなとき先の「ビオッタ」以上に濃いというジュースを教えてもらった。イギリスのジュースらしい。


スムージーパック・ラズベリー&フルーツミックス
250ml 367円

スムージーというのは「新鮮な果実をまるごとギュッとクラッシュした、濃厚なフルーツ飲料」のことだそう。

ラズベリー・バナナ・リンゴなどがミックスされている。なるほどバナナなら濃いのも分かる。

かなり挑戦的な色

触れ込みとしてはこれは既にジュースではなく濃厚をうたう“スムージー”らしい。確かに先ほどのビオッタを上回る濃さだ。

味はともかくテクスチャがとにかく重い。ストローがついていてそのまま飲むように売られているのだがあまりにももったりしていて正直、ジュースとしては濃すぎて飲めなかった。

今度こそ、これはタレだ!

イチゴをたくさんもらったんです

そうそう、先日実家から大量にイチゴをもらった。そのまま食べるのにもちょっと飽きてきてしまったのだが、まだ1パック残っているんです。

そろそろやっつけないと痛んでしまうし、どうしよう。フルーツピザにでもしてみようか。


クリームチーズをのばした生地にイチゴ、砂糖と乗せて焼く できたー。おや?

タレがついてるのか おおー

フルーツピザにかけてみる

見た目としてはものすごくいい感じだ。おいしそうさが5倍ぐらいになってる。ここですでにタレとしての役割を半分はまっとうしているぞ。

あとは味だ。

うん。パリパリした生地が美味しい。ちょっと焼きすぎたかなと思ったけど問題なしだ。イチゴの甘酸っぱさが際立って、甘い物が苦手な人でもばくばくいけるデザートに仕上がった。

……。タレの味、しないな。あんなに濃かったのに、タレとしてピザにかけた途端にその影をひそめた。どういうことよ。

冷静にもう一度、ジュースとして飲んでみた。すると、もったりと重い喉越しではあるが、味は甘ったるくなくスッキリしていることに気づいたのだった(実際、翌日、きちんと冷やして飲んだら美味しくごくごく飲めた。がーん)。

濃いジュースはタレなのか
 ・テクスチャが濃いだけではタレにはならない
  →やっぱり、タレじゃなくてジュースだ

うっかりだ。タレとして立つには、濃い味こそが必要なのだった。でも逆に言えば、味わいがとことん濃いジュースさえ見つければいいということが分かった。

探したら、ありました。続いて味が大変なことになっているジュースが登場します。


そして一行は渋い飲食店街にあるというファミレスへ

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