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ロマンの木曜日
 
指圧師が打つうどん

崖の上でニンジンを食べる

協議の結果、セーフティエリア内で熱いニンジンを食べる、という事になった。保温バッグからニンジンを取り出す林さん。小松駅で大根煮を買ってからここまでに相当な時間を使ってしまったので、ニンジンは冷めていた。

「残念ですけど、とりあえずぬるいニンジンを」

僕にとっては全く残念じゃない。

林さんがニンジンを差し出す。


何故か優しい目をしている

丸くカットされたニンジンを手に取り口に運ぶ。どこで食べたってニンジンがニンジンである事に変わりはない。あの嫌な味がするに違いない。


崖の上で

ニンジンを

食う

ちょっと食べただけで、もうダメだ。なるべく噛まずに飲み込む。
味の余韻を口の中に感じつつ、ふと顔を見上げてみた。


あ、高い

ダメだ

不味い、高い。生き地獄とはまさにこの事だ。「熱い」がなかっただけまだましではあるが、これだけだって相当辛い。

ニンジンの味がようやく口から消えた頃、林さんから再び写メールが届いた。


2008/6/7 15:31
from : 林雄司
subject : 打ち合わせの件

 -----------------------END-----------------------

Jackpot : Jackpot


僕がいる場所はセーフティエリアじゃない。左側はすぐ崖だ。
林さんはその事を写メールで伝えてくれたのだ。表題を「打合せの件」としているあたり、どうしても僕に知らせたかったのだろう。

自分の置かれている状況を把握して、しばらく立ち上がれなかった。



結局、克服出来たのか?

出来る訳がない。苦手な物を集約させたからといって、それぞれの苦手が薄まるはずもなく、むしろ余計に苦手意識が強まったと思う。苦手なものはどうやったって苦手。それが今回の結論です。

Jackpot : Jackpot
崖で記念撮影をするオッサン2人




 
 
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