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ひらめきの月曜日
 
食い込みやすいパンツを突き止める
 


 乗りたい電車を目指して、駅の階段を駆け上がることがある。そして、ホームについてほっとしたところで、パンツが食い込んでいる自分に気がつくことがある。

 ひとつのことをやり遂げたことの代償。この場合、それはパンツの食い込みだ。

 そうかと思うと、同じ状況でもパンツが食い込んでいない場合もある。なぜか。それはきっと、パンツによって食い込みやすいものとそうでもないものとがあるからだろう。

 ならば、様々なパンツを履いて実験することで、食い込みやすいパンツを突き止めることができるはずだ。これまでなんとなく履いていたパンツ選びの指針にするべく、実践してみた。

小野法師丸



●食い込みやすさという要素に着目

  人はパンツを買うとき、どんなことを基準にして選んでいるのだろうか。デザイン、履き心地、価格。そこにはいくつかの要素があると思うが、忘れられがちなのは「食い込みやすさ」なのではないかと思う。

 私自身もそのことにずっと気づかずにいた。ある日、階段を上った駅のホームでパンツが食い込んでいる自分に気がついて、ふと思いついたのだ。

 そうだ、世の中のパンツには、食い込みやすいものとそうでないものとがあるはずだ。


咲き誇るいろんなパンツたち
それとは別に、動物園にも行った (理由は後述)

 ホームで平気な顔をしているものの、実態はパンツが食い込んでいる自分。そんな内なる悲劇を繰り返さないためにも、いろいろなパンツを履いてみて、食い込みやすさについて検証してみよう。

 普段履いているパンツを公開するのはさすがにアレなので、いくつかの店を回って新品パンツを何種類か買ってきた。これらを実際に履いてみて調べてみたい。

 さて、まず確かめておきたいのは、最もトラディショナルとも言えるパンツ、ブリーフだ。


「気持ちいいがいつまでも」って書いてある
ビジュアルショック

 子供の頃、何も疑うことなく履いていた白いブリーフ。いつからか全く履かなくなってしまったが、世の中の男性の使用率はともかく、現在でもベーシックでトラッドな下着として位置するものだと思う。

 久しぶりに広げてみて、なぜだか照れを感じる。原点とも言えるこのパンツをまずは確かめてみたい。


モデル着用例
動物園で目指したのはサル山 (理由は後述)

 ぬいぐるみに履かせてみて、加速する照れ。

 履かせたあとのビジュアルにも言葉にしがたい雰囲気が漂うが、ブリーフをぬいぐるみに履かせるという行為をしていることに倒錯を覚えた。気をしっかり持て、と言い聞かせる。

 さて、パンツの食い込み度を検証するに当たって知っておかなくてはならないのは、「パンツは一体どれくらいまで食い込むことができるのか」ということだろう。食い込み度を相対的に知るためには、最高に食い込んだ状態というのをまずわかっておくべきだ。

 そういうわけで、最もトラッドなブリーフを意図的に食い込ませて履いてみる。食い込み度マックスの状態を体感しておきたいわけだ。


一見なんでもない写真ですが
ズボンの中では大変なことが起こっています

 普通に履いただけでもなかなかの手応えがあるブリーフ。ここでひるんではいけない。

 パンツの左右の裾に両手をかけ、力を込めて引き上げる。


来ました、グッと来ました

 当初はパンツの食い込み度を言葉で表そうとしたのだが、どんな言葉を費やしても実感との乖離を覚えた。だからといって、表情で表現するのも変質者だ。

 表現法に迷って訪れたのがサル山。そう、ブリーフを食い込ませた私が伝えたいことを、上のサルの写真は過不足なく表してくれているではないか。

 モンキーたちのさまざまなエモーションと重ねることで、ズボンの中で感じたものを伝えたい。どんな言葉よりも共感を得やすい手法だと思う。

 さあ、人為的に最高の食い込みを体感したところで、検証の実践に移ってみよう。


 

 
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