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ちしきの金曜日
 
段ボールキャラ図鑑

段ボールでも求められるのは動きや展開

平均して年4体近くのキャラを生み出してる飯塚さん。もともと工作は得意だったのだろうか。


「工作とか成績は良くなかったですねぇ。必要にかられて、ですね。でもネタとキャラクターを両方作らなきゃいけないから大変ですよ!」

−−キャラ作りに集中してると肝心のネタが作り込めなくなっちゃいそうですしね。

「基本的には楽しんで作ろう、とは思ってるんですけどね。いい感じにひらめいて作ってる時は楽しいですけど、うまくいかない時は地獄ですね‥」

−−見せてもらってるは結構どれもインパクトありますけどねー。

「昔に比べるとこう作りたいな、ってのが出来るようになりましたね。最初のイメージでひらめいたのが結構作れるというか」

−−キャラクターの出来と、ネタとしての完成度って比例してます?

「最近は雑だとダメですねー。『冷蔵庫マン』みたいに開いたり、『ゲド』だと後ろからいきなりゲドが出したりするんですが、そうした動きや展開で『おおっ』と言わせると笑いに繋がりやすいですね」


アコーディオン型かぶりものは
持つところが伸びる!
まだ電子レンジは
テーブルが回る!正確には自分が。

アコーディオンはタンゴを歌いながらジョークを飛ばす『タンゴ俊太郎』、冷蔵庫マンの弟キャラっぽい電子レンジはまだ未公開キャラだとか。

ほとんどのキャラクターは現在も保存しているそう。とはいえ、部屋の様子を見る限り「散乱」なんだか「保存」なんだか分かりませんが‥。


こちらは『男たちの大和』で
こっちは『鉄人28号』。
見ての通りのあの作品。
『硫黄島からの手紙』ネタで使った日本兵の帽子。
『悪魔のいけにえ』のマスク
同じくテキサスなチェーンソー。

工房の全容。生活の場は別!‥とフォローしておきます。

様々なキャラに着替えてもらいながら「なんでみんな楽しんでくれんだろう?って思うんですけどね、たまに。こんな冷蔵庫被ってるのが」とこぼす飯塚さん。

最近、全国で××レンジャーが流行ってる。そうした特撮テイストはみんな好きなんだろう。でも、それに対して「怪人」というのはあまりない。冷蔵庫マンに限らず、飯塚さんの作るキャラはそうした「怪人ぽさ」がある。

それぞれのキャラクターを飯塚さんが着ることで、ネタ中に自虐的に言う「今年で47歳だよ!」「芸歴26年なんだから!」というようなペーソス、悲哀が自然と織り込まれる。そこがリアル怪人感を思わせて魅力的なのかもしれない。若い芸人がこれやってもこの味は出せないもんなぁ。何より飯塚さんが家でコレを細々と作ってる、って想像させるのがいい。


−−トーク番組でブレイクするより、この工作技術で教育番組とかお呼びかかる方が早いんじゃないですか?

「まったくそういうのは考えてなかったですね‥ただ、他人のためにやるのって苦手なんですよねー」

−−それにブレイクしたとしても一生段ボールからは逃れられないでしょうし(笑)。

「素材良くしたら『ちょっと天狗になっちゃって』とか言われてね(笑)。まぁ、段ボールは一番の相方ですよ。でもこれだけ数が揃ってきたので、来年くらいには個展をやりたいんですよね。全キャラ並べて、ライブもやったりして」


「次キャラですか?う〜ん、思い出の作品なんで『マッハGOGOGO(今年公開される映画版は『スピードレーサー』)』やりたいんですけどねぇ。映画がウケるかどうか分からないですからね。でもやりたいんだよなぁ‥」と、次回作選びに悩む姿は芸人というより一人の映画好き。

『好き』と『段ボール』が生み出すキャラクターの数々。飯塚さんの場合「芸」という目的があるとはいえ、子供の工作ときっかけは同じ。「作らされる」じゃなくて「作る喜び」を感じつつやんないと面白いもんは出来ないんだろね。

最新作『ランボー』。ただデキは今一歩だとか‥。

工作するひとは素直にリスペクト。

飯塚さんの取材をすれば工作が好きになるかな?と思ったけども「凄いなー」で終わってしまった。ま、自分が今書いてる文章も「よく書けますねえ」って言われるしなあ、時に。自分は文章の方が楽しめて書けるんだ!工作より向いてるらしい!ということで納得しておきたいと思います。自分もコスプレしながら原稿とか書きたいなー。でも誰に見せるでもないしなー。

最後に、取材させていただいた飯塚さんのブログがこちら。そして飯塚さんがレビュアーも務めている「映画秘宝クラブ」のイベントが6月19日大久保であります。飯塚さんはもちろん、実はワタクシも出演させてもらいますのでお時間ある方はぜひ!


「映画秘宝クラブ 映画魂5!」

日時:6月19日(木)OPEN18:30/START19:30

会場:ネイキッドロフト

料金:当日のみ¥1,000(+1drinkから)

【司会】原口一也 / プチ鹿島(俺のバカ)
【出演】高橋ターヤン / MUNE(ハードコアチョコレート) / 飯塚俊太郎(冷蔵庫マン) / 橋本宗洋 / 大坪ケムタ(ライター) / 山口氏(キングレコード) / くれい響 他


 
 
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