(text by 大塚 幸代)
最近はほとんど見ないのだが、私がコドモの頃、80年代までは、放送事故がしょっちゅうあった気がする。 放送事故と言っても、「電波ジャック」とかそういうものじゃない。単純に機械の故障だったのだと思う。
動かなくなる画面。 そこに、文字の入った静止画が入る。
「しばらくお待ちください」
あれが妙に恐かった。見慣れない静止画像、それだけで恐かった。 あの、パソコンの普及してない頃の、手描きっぽい、雑な一枚絵…。 あれを思い出しながら、再現して作ってみたいと思う。
まず、ワープロソフトで文字をうちだしてみた。大きめの字で「しばらくお待ちください」を作れた時点で、50%くらい満足してしまったのだが…いやいや、これを手描きっぽくするにはどうしよう、と考え、
コリコリ、と切り抜いた。かなり時間がかかった。
青ベースだったら、白文字にしたいな…と、ペイントマーカーでなぞってテストしてみたのだが、にじんでしまったので断念。悔しい。
これを、やはり東急ハンズで買ってきた「カラーマスキングテープ」で、デコレーションしていく。 実は作る前に、資料を探したのだけれど、びっくりするほど資料がなくて…これは、数点見つかった図案のうちのひとつを参考にしています。本物はちゃんとかっこいいけれど、今回はダサさ強調。 しかし「しばらくお待ちください」画像のコレクターって、どこかにいるんだろうか?
スキャンしてみた。テープの貼り方のド下手っぷりはご容赦の程。でもこんな感じじゃなかった、当時? 違う?
■結局、何が恐かったんだろう
自分で作ってみると、眺めても、全然恐くない。 テレビの画面に写したら、恐いだろうか? ある日、動画共有サイトの全てが、この画面になってたら、恐いだろうか?
ひょっとしたら、「画面の裏で、何かが起きているんだ」っていう、自分の想像力が恐かっただけなのかもしれない。
追記:この画像を、仕事が終わらない時、取引先に添付ファイルで送ると怒られると思うので、やらないでください