デイリーポータルZロゴ
このサイトについて


ひらめきの月曜日
 
増減するキャベツ問題にケリを


値上げの波はキャベツにも(1玉198円)

キャベツといえば、ナマ、茹で、焼き、蒸し、炒め…などなど、どんな調理方法でも美味しく食べることの出来る優秀な野菜だ。味の点では文句のつけようがないが、気になるのはその量である。

キャベツの千切りを作るたびに「こんなハズでは…」と思うことが多い。たいてい皿から溢れそうになるのだ。つまり、カサが増える。

千切りの場合は【増】だが、火を通すと今度は一気に【減】へと変わる。「たったコレっぽっちかよー」と、ガッカリするほどカサが減る。

このキャベツのカサ問題については、いつかはっきりケリを付けたいと思っていた。いい機会なのでいろいろ試してみよう。

高瀬 克子



もっさりキャベツ

体験的に「千切りにするとキャベツは増える」と思っている方は多いのではないだろうか。でも、調理しない人にとっては「そんなバカな」という話かもしれない。

そこで、まずは増えるキャベツをご覧いただこう。


計ったら100グラムありました。
これを千切りにします。
おや? なんだかカサが増えたぞ…。
これじゃ、メインのトンカツが乗らないよ!

ご覧の通りの有り様だ。写真では分かりにくいが、皿の上にちょっとした山が出来ている。平面だったキャベツが立体へ。これからはキャベツの千切りのことを「3Dキャベツ」と呼んでもいいんじゃないだろうか。

 

さみしいキャベツ

続いて、この3Dキャベツが減る瞬間をお目にかけよう。


これを蒸しますと、
ここまで減ります。

どうです。ちょっとどうかと思う減りっぷりじゃありませんか。ガッカリにも程がありますよ。

「もともと千切りだから、すごく減った気分になるのでは?」という方には、次の写真を見ていただきたい。


キャベツ丸ごと1個を蒸すと、
ここまで小さくなるんですよ!

「ちゃんと鍋に収まるのか?」と不安になるほど大きかったキャベツが、30分蒸しただけでここまで小さくなってしまうのだ。

「フタを開けたらキャベツが小さくなるという手品です」と言われたら、うっかり信じてしまいそうなほどに縮小した。30分かかる手品だが。


いくら小さくなったとは言え、皿に移すとデカイ。
ここまで食べただけで腹がいっぱいに。

 

キャベツ、また増えた、減った

なにも、キャベツが増えるのは千切りの時ばかりではない。特に手で千切った時の増量っぷりには素晴らしいものがある。

それだけに、減るとガッカリ度が大きい。


皿からこぼれ落ちんばかりのキャベツが、
圧縮、と言いたくなるほどコンパクトに。
(注:同じ皿です)

今回は強火で1分ほど炒めてみた。鍋を振るごとにキャベツがどんどん小さくなっていくのが分かり、最終的には「ちょっと少ないんじゃない?」という炒め物になってしまった。ガッカリキャベツの完成である。

 

さらにガッカリは続く

ここまでご覧いただいて「火を使ってるんだから、カサが減るのは当たり前だ」とお思いの方もいらっしゃるだろう。しかし、火を使わなくてもキャベツは減る。それはもう、悲しくなるほどに。


ビニール袋にキャベツを入れたら、
塩と酢を入れて塩と酢を入れて、
よーく揉みます。これを冷蔵庫に10分ほど入れたら、
袋に穴を空けて、出た水分をギューッと絞ります。

袋から取り出し、少量のマヨネーズで和えると「簡単コールスロー」の出来上がり、なのだが。


どうですか、このチンマリぶり。

だって、このコールスロー、使ったキャベツの量はコレなんですよ。


一体、どこへ消えてしまったと言うんだ。

 

驚きの証言

ここまであれこれと試した後ではあるが、友人に「キャベツってカサが増えたり減ったりするよね?」と電話で確認をした。てっきり同意を得られるものとばかり思っていたが、返ってきた答えは「そうでもない」だった。

そんなバカな! 納得できずに話を聞いてみると、どうやら彼女はキャベツを1枚ずつ剥かず、断面ごと一気に包丁で切っているという。


なるほど、
この方法だとコンパクトですな。

「これだと量はあんまり変わらないよー」とのことであったが、それだと断面が傷むじゃないか。傷んで茶色くなるじゃないか。

反論する私に友人は「茶色くなった部分は、薄く切って捨てるから大丈夫」と、文字通り豪快にバッサリと切って捨てたのであった。

増減は、人それぞれのようです

最終的に、友人によって「1枚ずつ剥がしてるから、カサが増えたり減ったりするんだよ」と指摘され「なるほど!」と思わず膝を打つ結果となった。なんでも人に聞いてみるもんですな。

しかし私は、これからもキャベツの増減に心を惑わせながら生きて行くのだろう。いつの日か、ちょうどいい分量の千切りを作れるようになりたいものだ。

そういえば友人は「私の方法だと、キャベツが鍋の中でほぐれるから、逆に炒めた時に増え気味だよ」と言っていたが、なるほど、そういう場合もあるのか…。

どっちにしろ、キャベツを食べたい量だけ調理するのは、案外難しいようだ。

このタレが実においしかったです。

 
 
関連記事
ふえるわかめちゃんを限界まで増やす
うまいキャベツが作れるらしい
カップ焼きそばのキャベツを増やす

 

 
Ad by DailyPortalZ
 

▲トップに戻る バックナンバーいちらんへ
個人情報保護ポリシー
© DailyPortalZ Inc. All Rights Reserved.