●立ちはだかる困難
偶数月のスジャータばかり集まった前半戦。これらのスジャータを買ってきた店に再び行ったのだが、並んでいたのは偶数月のものばかりが入った袋だけ。
どうしようと思いながら売り場をさまよう。すると、別の売り場でまたスジャータと出会った。
「L」でも「P」でもなく、「スジャータJ」。もしかするとこれには奇数月が……と、中をのぞき込んでみたが、こちらは誕生石バージョン。これならコンプリートは簡単だろうが…。
もしかしたら時期によって生産が違って、今は偶数月しかないのでは…。そんな不安を抱えながら奇数月のスジャータを求めて別の店を回る。
心配しながら売り場を探すと、奇数月版のスジャータを発見。確かにこちらには奇数月のものしか入っていない。スジャータPには、袋によって奇数月と偶数月のどちらかしか入っていないのだ。
期せずして発見した意外な法則。この法則にどれだけ需要があるのか未知数だが、一つの発見をした達成感はある。
そういうわけで、奇数月版も5袋購入。再び作業に戻り、カレンダーの上に並べていく。さてここで、並べながら気になった花たちを紹介しよう。
1月の初めはやはりそれらしく、マツやタケといったおめでたい植物が並ぶ。花言葉もそれぞれ引き締まったもの。加えて3日のフクジュソウの花言葉も「幸せを招く」と、とても縁起のいいものだ。
366種類もあるからか、中には同じような花言葉も見られた。ホウセンカとツリフネソウはともに「私に触れないで」。女性から贈られたくない花として覚えておきたい。
キクイモとマンリョウは「陰徳」。陰徳と聞いて勝手にちょっといやらしいことを想像してしまっていたのだが、ちゃんと辞書で調べたら「人に知られないように密かに行う善行」とのことだった。調べてよかった、キクイモとマンリョウは偉い。
3月19日のベロペロネという花は初めて聞いた。名前と「ひょうきんな」という花言葉が実にマッチしている例だと思う。
同じく、キウイとヘチマの花言葉もひょうきん。ヘチマだけ漢字で書いてあるのはなぜだかわからないが、確かにキウイやヘチマの実は、なんとなくひょうきんな感じがする。
さて、1袋50個入りのスジャータを10袋分、合計500個のスジャータを並べた結果はこうなった。
366種類を揃えようとして500個の投入。そこそこ揃ってはいるのだが、ある程度予感していた通り、コンプリートには届かない。月によっても揃い方に結構な差が出た。
確率的にはこういう結果になるのはきっと普通のことなのだと思う。ただ、10月10日のマツタケは出てこなかったし、レアキャラ的な2月29日もなかったなど、悔しい点はいくつかある。
全て揃った月がなかったのも残念だ。うーん、どうしよう…。また改めて買ってきてもいいのだが。
考えていると、妻がダブった分をひとつの袋にまとめ始めた。かなりの量になっている。「どうしようかなあ…」とわざとらしく言いながら妻の顔を見る。
ストップだ。表情から読み取れる。これはワイフ・ストップだ。
成し遂げられなかったことは残念だが、それより大事なものもある。今回はここまでとしたい。
作業を進めていくにつれ、小さな花言葉博士になっていく自分。部屋の一部がちょっとしたお花畑のようになって、軽くロマンチックでもあった。
やり残した感がないと言えば嘘になるが、やれるところまでやって、とりあえず満足はした。
大量のスジャータは、理由を告げずに実家や知り合いに配ることにしたいと思う。