この瞬間自分の中で、サソリはゲテモノの域から外れた。もっと買ってくればよかったと思った。
ポリポリと全部食べてしまいそうになったが、せっかくなので遠巻きに見ている友人にも試食してもらおう。
でしょでしょ!と一気に盛り上がる。 お互い珍味は好きだが、お互い初めて食べるサソリの美味しさを共有できた事が嬉しかった。こういった未知なる味覚体験は楽しすぎるから、一人よりは誰かと共有したいものだ。
というか、差し出されたサソリをすんなり食べてくれる人ってすばらしいですね。
実はタガメも買った
以前から「昆虫食で決められているランクで一番美味しいとされるタガメ」という事は知っていた。 なにやら、香りがすごく良いそうだ。 ミスチルの「タガタメ」という曲名をみかけるたびに食べたいと思うまでになっていた。歌はきいた事ないが。
思い切って噛み砕いてみる。 ちょっと殻はもそもそするが、中身は確かに香りがいい。覚えのある高級な何かの料理の匂いだ。ほんのりと花のようなハーブのような香り。
これもクセなくて上品な味だなあ。虫、すごい!
戸惑うのは最初だけで、味がわかるとあっという間に食べ尽くしてしまった。
今までかたくなに傍観していた他の友人にも食べさせてみたら、なかなか好評。「俺のタガメ処女を奪いやがって!」と捨てぜりふを残して帰っていった。いや、君だけじゃないから。
次の日の夜
同じ食堂へ。もしおじさんが現れたらサソリやその他の虫をもう少し買おうと思っていたのだが、残念ながらこの日は会えなかった。
そのかわり、いいものを見ることができた。
サソリとタガメ、おいしかった
考えてみると、グロテスクなものをわざわざ食べるのだから、そういう物ほど美味しいのは当たり前かもしれない。言い切ってしまえば、グロテスクでまずい食べ物なんて存在しないのだ。強気なまとめだが。 もしサソリの素揚げなどを食べる機会があったら「ポリポリと食べられてビールのつまみにぴったりなんだな」と思って食べてみて下さい。