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ひらめきの月曜日
 
食べられるバランを作ろう

弁当箱がデカすぎた

「見た目にこだわらない弁当作り」が信条なだけに、普段はタッパーを使っている。タッパー。響きもマヌケだし、見た目もパッとしない。

そこで今回のために弁当箱を新調した。いくらバランを使って彩りの良い弁当を作ったとしても、容器がタッパーでは台無しだ。元も子もないだろう。

デパートの特売ワゴンに山と積んであった弁当箱は、なんと397円。「これは安い!」と喜んで買ってきたはいいが、900mlと大容量だ。茶碗一杯分のごはんを入れても、おかずスペースが余りまくっている。


ごはんを2杯分入れて、中高生が食べるサイズですかね。

さすがに自分でも「育ち盛りのつもりか!」と反省せずにはいられなかった。安さに釣られた自分が恨めしい。

でもまぁ、買ったからには詰めねばならぬ。大量のおかずを作らねばならぬ。


トンカツ弁当の残りも入れて、やっと埋まった。

彩りと言えるのはアスパラガスの胡麻和えと玉子焼きだけである。あとは、いつもの通りの地味な茶色い弁当だ。先日母から送ってもらった「いぶりがっこ」という秋田の漬物も見事なまでに茶色い。茶色いがウマイ。

では、さっそくバランで仕切ってみよう。


かまぼこバラン。素晴らしいバランっぷり。

食用バランを作るなら、やっぱりかまぼこが一番だ。発色もいいし食べてもおいしいし、仕切りの役目も立派に果たしている。

と、続いての豚肉バランで問題が生じた。


巨大すぎた。これでフタを閉めたら折れてしまう。
しょうがないので、ごはんとの仕切りを取り外すことに。

今回は、さほど汁の出るおかずがないことだし大丈夫だろう。おかげで、大きな豚肉バランを斜めに倒すことが可能になり、きれいに収まった。


ごはんと牛肉の間を取り持つ豚肉。さすがにくどいか。

しかし、ごはんと牛肉の仕切りが豚肉って、さほど肉が好きでない人にとっては地獄の弁当ですね。

でも、イカバランはどことなく爽やかになりましたよ。


こちらは牛肉・イカ・鶏肉という並びに。いくぶん軽め。

それぞれに微調整を施し、なんとか全てのバランを詰め終えた。

では、その全貌をご覧いただこう。


ずどーん!

おお! 豪華になった! そう思いませんか!

同じ緑といっても、それぞれに発色や質感の具合が異なるのが面白い。緑の分量が増えたせいか、いつもの弁当より数段スケールアップしたことは確かだ。

しかも本物のバランと違って、全て食べられる。なんて素晴らしいんだろう。こういうのを自画自賛というのだろうか。

ま、こういう時ぐらい、いいじゃありませんか。

 

まだやるか

実はもう1つ、候補の食材があったので紹介させてもらおう。


シウマイの皮。
揚げただけ。

薄さが一番バランっぽくはあったが、どうやって緑色にすればいいのか見当もつかなかったので、揚げて塩をパラリと振ってみた。

ま、これはふりかけ代わりにしよう。


茶色が追加されてもビクともしない。
重さを量ったら900グラムもありやがりました。キレイなのは嬉しいですが、正直、複雑な心境です。

苦しい弁当でした

この日は会社が休みだったので弁当は家で食べたのだが、腹がはち切れるかと思うほどに苦しかった。「バランまで食べられる!」と浮かれておきながら、最終的には「バランも食わなきゃなんねーのかよ」な気分になったことを告白しよう。まるで苦行だった。

なんとか食べ終えてフタを閉めたとき、フタの表面に何やら英文が書いてあるのに気が付いた。よくある意味のない単語の羅列かと思いきや、なんと「Hard road」と大書きしてある。さらに小さな文字で The road of the life will become very hard. But we must overcome it. と続くではないか。「生活の道は苦しくなるが、我々はそれを克服しなくてはならない」だ。

人生のことを説いているのか、それともこの巨大な弁当箱自体が苦しい道のりなのか。今の私には後者にしか思えないほどに、腹が苦しい。

「この弁当箱を使う時は、食用バランはやめとこう」と思った。もしも彩るのなら、サニーレタスあたりが適任だろう。

君は何を言わんとしているのか。

 
 
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